ブックマーク▶︎https://angaku-girls-soccer.com

顧問の独り言 2016年7月号Part2

『 夏休み第一弾』ーカピタへの挑戦、個の可能性ー

夏休みに突入。気温も湿度も一気にアップする中、各種リーグ戦や遠征が目白押しである。メールや部サイト、ラジオ出演(笑)、唐突な電話でそれぞれの奮闘を聞き、苦労を知り、刺激を共有する。それら全てが自分のエネルギーになる(と信じている)。

7月16日。県高校リーグ1部第1節、vs至学館。高体連トーナメントではここ数年県4強の常連でありながらこれまで2部リーグに甘んじてきたチーム。念願だった1部にステージを移し、他校を凌駕する熱意をもって参戦している。率いる永井先生の声からも、その熱量はこちらまでビシビシと伝わった。対するアンガクだが実はトップメンバーの数人が若干のコンディション不良。少しメンバーを変えて…と思っていたが、なにせこれまで苦労を分かち合ってきた仲間の熱に応えたいと、こちらもスタートはこの日のベストを揃えた(アンガク部員も同じ気持ちだったことが嬉しかった)。するとよくある話だが具合の良くない選手がそういう時に一層の仕事をする。前半16分に辛いコンディションのしおりが一瞬の隙をつきスルーパスを受け、気の利いたゴール(スルーパスも良かった…誰だったかなぁ…)。続く18分に決めたのは怪我からの完全復帰を告げるかのようなはるかのゴール。後半に入り、日差しの厳しさや体力の消耗とも戦わなくてはいけない時間帯に。交代カードを切るベンチも大忙しである。それでも後半24分、れおなが見事な追加点。フレッシュな顔も多くピッチに立つことができた後半、途中出場した部員も精力的にピッチを駆け、存在感を表現できたことも収穫。3-0で勝利。

7月18日。LigaStudent第3節、vs磐田東高校。初対戦でしかも相手校に乗り込む完全アウェー(いやいや誤解のないように。アウェー大歓迎です。会場を使わせていただくだけで光栄です。じゃあアンタがグランドを手配しろと言われたら無理でーす(笑))。若干の緊張とともに羨ましいばかりの人工芝にたどり着く。まだ見ぬ強さは果たしてどのようなものかは知る由もなかったが、静岡No.3に君臨する強豪ということは誰もが知るところである。
定刻通りキックオフ。手探りながら中盤を中心として徐々に攻勢を仕掛けるアンガク。実は磐田東、略してバントーは前日にあの常葉橘と死闘を繰り広げていたとのこと(中野調べ)。とはいえバントーである。そう簡単にはゴールネットを揺すらせてはくれない。幾つかあった決定機を逃し前半を0-0で終えて後半へ。こういう展開では時間の経過とともに流れを相手に渡してしまうのがサッカーというものである(いや、わかんないけど、たぶんね)。前半に比べて出し手と受け手のタイミングがあってきたが、やはりまだ得点が奪えない。そうこうしているうちに裏に抜け出され(あるいはオフサイド際どいところから抜け出され)、2失点。うーん…と唸ったところで尾張地区ホットラインが炸裂。しおり→なつきのコンビネーションで見事すぎる中央突破。やっとの得点で溜飲を下げる。試合終了。終始見せ場を作ったものの1-2の敗戦。大きな手応えがありつつも欲しかった結果が伴わない悔しさも経験した。

7月22日。県高校リーグ1部第2節、vs聖カピタニオ女子。対戦カードを聞いただけで体温が2度ほど上がり、外気を涼しく感じるほどである(完全にウソである)。今年のカピタはこれまで消化した高校リーグで様々な趣向を凝らしたスターティングメンバーを組んでいるという噂を聞いていただけに〝ん?どれどれ…〟とメンバー用紙に目をこらす。…驚いた、全然趣向を凝らしていない(笑)。というか、11分の9が東海総体と同一メンバー(私の記憶違いでなければ)。もっと言うと後半の交代カードの切り方もタイミングこそ少し早かったが東海大会と同じ。ま、全国直前でトップチームの仕上げ相手に選んでくれたのは光栄だけれど。当然私の頭の中では苦戦を予測する。試合前、部員の前では平静を装い(笑)4つのポイントを話しピッチに送り出す。ちなみに4つの中身は内緒である。決して忘れたわけではない(きっぱり)。
キックオフ。少し趣向を変えたアンガクのサッカーがハマり始めた。前半13分、ここ数試合出場機会が増えてきたあいかが先制ゴールを挙げる。本人としてもチームとしても嬉しい得点。15分にはれおながカピタのゴールネットを揺らす。カピタ戦での複数得点は…ちょっと記憶にない。しかしそのまま簡単に行くわけもなく、20分にはスペースをタイミングよく取られて失点。が、ここまでアグレッシブに戦いカピタ陣地に攻め入る回数が増えたことでフィニッシュに対する感覚が相当ポジティブになったアンガク。前半29分にはシンプルな連携から突破したななかが崩し切ってゴール。前半を3-1で折り返す。
後半に入り、良いイメージを持って戦い続けるが、素晴らしい個の力と相対した時に幾つかミスが出てしまった。技術と走力の問題だけでなく判断、決断、勇気の部分。そしてその一瞬のミスを得点に結びつける強さと巧さが、私(たち)が常にカピタを目標とする所以でもある。2点を

奪われて残すはアディショナルタイム。ドローで終わるかな…と思ったラストワンプレー。ちょっとした修正さえ出来ていれば…というシーン。それでも最後の最後に決めきる力をまざまざと見せつけられた。3-4。

県高校リーグで負けて涙を流すアンガク選手を見るのは初めてだったと思う。やはりカピタとの戦いは意義深い。終了十数分前まで勝利が目の前にあり、ラストワンプレーで勝ち点すら逃す。その計り知れない悔しさをチーム全員で受け止めつつ、同時に本当の意味で勝負できるところまで成長してきたとの自負も生まれた。やるべきことに取り組むこともせず苦労もせずに意気がるわけではなく、チーム名や現有戦力で勝手に強いだの弱いだの格付けをするのではなく、こうした〝本当の経験〟を積み続けることで正しいプライドを手に入れることができるのだと、今思う。
多田さんはアンガクに激励を込めて『肩を並べている』『カピタに力を与えてくれる』と言ってくれた。本当にありがたい一言だ。その一言がまた私たちに次の一歩を踏み出す勇気をくれる。

創部して4、5年経った頃だったか…オフィシャルユニホームの左袖にAICHIの文字を入れた頃か…〝県を代表するチームに育てたい〟そんなことを身の程知らずに思い始めた。そして創部11年目のいま、我々は全国を目指して戦っている。このカピタに勝つことができれば全国でも勝負できる。そういう、いわば全国を知るフィルターが仲間にいることが本当に幸せだ(強すぎてほんと面倒だけど)。瀬戸のローカルラジオに出演するよと多田さんから電話をもらい、自分のことのように嬉しくなってメールで応援メッセージを送る。そしてオンエアで多田さんを困らせる質問をする(笑)。そしてその仲間(たち)とサッカーという舞台でしのぎを削る。愛知県高校女子サッカーが成長しているのは、理由がある。

7月23日。PNFC TECトレーニング開始。〝個の可能性〟を伸ばす手立てとして、いま私が考えつく最善策に協力を依頼することにした。グランドでのトレーニング予定を急遽変更してまで実施した甲斐があった。たった一回でそんな…と思うかもしれないが、そう言いきってしまえるほど部員は熱をもって取り組み、いままでの自分たちに足りないことと馬鹿正直に向き合った。ボールを全く使わずに、ランメニューをやったわけでもなくて、あの汗の量と疲労度、そして何より部員みんなの、あの表情!!。高い充実度の裏返しとしか言いようがない!。様々な事情で月に一度か…一ヶ月半ごとか…くらいの実施になる予定だが既に次回が楽しみである(笑)。個それぞれに違いはあれど〝足りない何かを全力で探しに行く〟作業はチームの未来を明るく照らしている。

7月24日。LigaStudent第4節、vs南山高校。毎年のチーム作りで苦労している時間の長さは…なかなかいい勝負ではないだろうか(笑)。今日もカニ蔵は素敵な帽子をかぶっていた。若干ヒゲをたくわえていたのを私は見逃さなかった!顧問同様、貫禄をつけ始めた南山と勝負の一戦。
前半4分、左サイドかられおなが左足インステップ一閃。高校女子サッカーではちょっとお目にかかれないレベルの弾丸で先制。グランドが若干静かになったのは気のせいか。その後、どんどん日差しが強まり、人工芝の熱も照り返しがハンパなくなってきた。球際の競り合いも徐々に激しくなる。両チームの選手への負担も当然大きい。そんな試合、会場を愛知東邦大学でお世話になるだけでなく主審までも同大コーチの江崎氏にお願いした。東邦大のゲーム直後だったにもかかわらず爽やかな笑顔でジャッジを受け入れてくれたが試合中は若干忙しそうであった(苦笑)。ごめんね江崎さん。なかなか追加点を奪えなかったが33分、最近良い仕事をすると巷で評判のあいかが見事なスルーパス。受けたしおりが流し込み2点目。前半を2-0で折り返す。
後半はコンディションを考えて早め早めの選手交代を施す。計5枚の交代用紙を使ったが、それぞれがこれまた良い役割を担ってくれたように思う。特に交代で入ったメンバーへのコミュニケーションが良かったのではないか。チームの歯車が良い動きをしている時はそんなものなのかもしれない。後半の得点は28分にキッカーななかのCKにりのがヘッドで合わせた。教科書通り、地面に叩きつけて追加点。あまりに強く叩きつけすぎて、跳ね返ったボールがゴールネットの上部に跳ね返っていたのが印象的(笑)。結局、得点こそ1点どまりであったが最終ラインと中盤においてアウトサイドとインサイドをバランス良く仕掛け続けられた時間が多かった。また途中出場選手に得点の機会を生み出そうと苦心する主力メンバーの努力も感じた。実を結ばなかった部分は、また努力を続ければいい。3-0で勝利。

最後に朗報ひとつ。これまた一緒に苦労し続けている至学館がなんと清水レディースカップ(7/23~7/25)で決勝に進出が決まった(みたい。ちなみに今日は7/24)。昨年度まで5年連続でお世話になった大会だが、今年度からやむなく出場を見合わせたアンガク。優勝トロフィーを再び愛知に持ち帰ることができるか…頑張れ至学館!(結果は至学館のWEBをみてくださいねー。)柴ちゃんと原さんも頑張ってー。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です