22日火曜は祝日で学校はもちろんお休み。しかし夕方から多目的グランドでトレーニング。練習後半は全面を利用しての紅白戦。本当に今シーズンは紅白戦の実施が増えたし、部員の成長のおかげで日に日に有意義な実戦に昇華させることができたと自負している。この日のラスト一本は3年生スペシャル。3年生全員に少し人数を足したチームをひとつ作り、もう一方は後輩連合チーム。サッカーに対して真面目に向き合いつつ精一杯楽しむ姿を見られるのも、あと数日。
23日水曜はあえてゲーム無し。今シーズン、チームのテーマのひとつとして掲げ続けたシンプルかつスピードを上げた中でのトランジショントレーニング。取り組み始めた初期段階に比べると、その出来は雲泥の差。3列に分かれたシューティングも今チームの立ち上げから。徐々に質が高くなった。その様子だけでは誰がトップメンバーなのかまったく分からないほど。大切なのはプレッシャーの有無によって質の変化が発生するか否か。そんなことを考えながら取り組みを見続けた。
24日木曜。授業後に合わせるように雨が降り始める。降水量はさほどではなく何とか実施することができた。とはいえ時間の経過とともに緩むグランド。天気予報によると明日25日は終日の雨。であれば、今日しかない。最終メニューは再びゲーム。3年生チームはリン監督のもと、3年生7名と次代を担う2年生4名が集結。緩んだ土に足を取られる場面は互いにありながらも、全力プレーと嬌声が飛び交う、最高に楽しいゲームとなった。
25日は校舎内で軽く汗を流し、いつものミーティング。3年生の最後まで、アンガクらしく。
26日、最終節。vs愛知啓成。打ち合いという表現がピッタリ来るような試合展開になることが多い相手。
キックオフからこれまで以上にポジティブさを発揮。支配する力も、ロスト直後に奪いかかる強さもかなり充実させることに成功。
この日のスターティングには、リンが加わった。当日朝も病院でガチガチのテーピングを巻いてもらっての合流。どこまでプレー出来るか分からない状況だったが今年のチームはリンがいたからここまで成長できた。誰よりもキャプテンがひたむきに取り組むからこそ他のメンバーが踏ん張るようになった。だからこのピッチにリンを立たせようというのは全員の共通した思いだった。
開始間もなく、リンを経由した、いわばアンガクらしくない(笑)ゆるいパス交換。その後も二度三度と同じようなシーン。その度にベンチと観客は固唾を吞み、間もなく何事も起きなかったことを安堵の表情で共有した。すると何を考えたのかリンがいきなりオーバーラップを仕掛けた!追い越されたナナコも、内側にいたリナも一瞬何が起きたのか分からないと言った表情を浮かべ、慌ててパスを出す。
前半13分、リンoutレンin。ホノカやユイとハイタッチをして本部前でレンと交代。わずかな出場時間、しかし誰もが拍手。少し照れくさそうな表情を浮かべてベンチに戻るとまたもや全員からもみくちゃに。自分なりの達成感を得たリンは、その後じっと戦況を見つめた。
試合が動いたのは、その交代から間もない時間だった。15分、先制ゴールはCKから。アズ→ホノカ、のホットラインは練習通り。見事な得点、最高の歓喜。
前半その後も押し気味に進めるも啓成にも意地がある。そのまま1-0でハーフタイム。
後半に入っても手を緩めないアンガク。ただ、ことごとくシュートを打つも相手GKの正面で捉えられるシーン多数。こういうところはまだまだ改善の余地があるね、とベンチで会話をする。すると71分、それを聞いていたかのようなタイミングでナナコが見事な切り返しからフィニッシュ。2-0。さらに75分にはレン。この日のレンは一味違った!ホノカのPA侵入から見事に反応、混戦を制し追加点を決めた。3-0。後半途中から右サイドにヨッシー、ボランチでサヤがそれぞれ練習の成果を発揮。GKソラも最大の危機を見事なストップで存在感をこれ以上無いカタチで見事に表現。全員が笑顔でホイッスルを聞くことができた。
試合終了。3-0。
試合後は「ラジオが壊れたから海へ行く」という強引な設定。海岸につくタイミングで日没なのは台本通り。あそこまで車内が盛り上がるのは台本以上。もう、この空気を体感すると全ての苦労なんてどこかに吹っ飛んでいく。
東海そして全国への目標は、きっと後輩が繋げてくれる。そんな勇気と確信に満ちた時間だった。
「リン!ヨッシー!ミサト!ソラ!ナギカ!アヤカ!アイナ!サヤ!
最後まで意地張ってよく頑張りました。見事な14期生でした。
またグランドで会いましょう!」
顧問の中野先生より
最終節終了。
一位 聖カピタニオ 勝ち点12 得失点+8
二位 豊川 勝ち点8 得失点+2
三位 安城学園 勝ち点4 得失点+1
四位 愛知啓成 勝ち点0 得失点-11