定期試験も終わり、グッドチャレンジのチャンスが巡ってきた。4日、愛知東邦大学で東海リーグを主戦場とする東邦大学と。5日、名古屋経済大学において星槎国際高校(神奈川)、名古屋ジュニアユース、そして三重高校。対戦出来なかったが聖和学園(宮城)、聖カピタニオ女子、桐陽(桐陽)の姿も。両日ともに雨天ながら素晴らしい人工芝ピッチ。こういう環境、こういう場を与えてくださった米澤先生(愛知東邦大)三壁先生(名経大)には感謝の言葉しかない。4日の東邦大戦は自分たちの攻撃がどこまで通用するか、がメインテーマ。トップチームと40×1。セカンドと35×2。1本目、1ゴール奪ったものの目の前の現象に圧力を感じ、テーマにこだわれない時間帯が多く存在した。いかにして攻撃のスイッチを入れるか。それを全体が予測して共有して、勇気を持って動き出せるか。大学生らしい個の能力の高さと対峙した時、そういったオートマティズムを発揮できなかったことが悔しい。しかしグループで早い展開をするとある程度やりたいことを表現できることは確認できた。テーマと向き合うための付随的修正を伝えた後の2本目はまずまずの出来。5日の参加は名古屋経済大学フェスの記念すべき第1回大会…に2日目のみ参加というカタチ。県外に成長の場を求めた愛知県出身選手と久しぶりの再会を喜ぶ部員の姿も。到着時、ピッチは星槎国際対聖和学園の決勝、キックオフ直後。何というか…心技体がこれほどの高水準で、なおかつ激しさの中にも調和のとれた戦いぶりは県内ではなかなかお目にかかる機会は無いと思う。両チームの素晴らしさに何度も感嘆の吐息をもらす。そんな中でも私が最も痺れたのは星槎のビルドアップにおけるボールの質、聖和のポゼッション時における選択肢の多さ。少しずつであっても絶対に近づきたい。本当に魅力的な水準。私たちは、1本目に星槎国際対アンガクTOP、2本目に名古屋レディースのジュニアユース対アンガク(途中からセカンド)、3本目と4本目に三重高校(3本目TOP、4本目セカンド)に相手をしていただいた。すべてのゲームに学びの瞬間があった。1本目の相手はメンバーを多少落としているとはいえ当然ながらやはり星槎らしさは存分であった。中盤のダイナミズムには対応に苦慮させられたし、名古屋のジュニアユースも足元の技術と個人戦術としての視野の作り方は素晴らしいものがあった。その中でもやはり3本目のガチンコ勝負。いくつかの決定機、いくつかの危機的状況。全てのシーンはこれからの成長曲線の方向付けに、大いに役に立つ。緊張感と集中力の漲るピッチは紛れもなく双方のチーム…22人の存在によるものだし、そこに立つ機会の無かったメンバーにとっても、息をのむ場面の連続は学びの宝庫だったに違いない。〝次〟を本気で目指す以上、越えなければならない壁。それを体感できたことはこの上ない経験値の上乗せだった。試合後には三重高校の田中先生ともがっちり握手。「良い試合だったね」の言葉に、言葉以上の重みを感じる。
最近、セカンドのメンバーによく話すこと。セカンドゲーム(=B戦)の意義。
紅白戦でも練習試合でも、ミックスの構成でなければ、必然的にトップとセカンドに分けることになる。トップは内容の充実、そしてグループとしての結果あるいはチームとしての結果を追求する。ではセカンドのゲームで出場した部員に求めることは何か。それはトップの試合で一緒に戦いたいと思わせる何かを表現することだ。ゴールを奪われることを恐れて後ろに下がり続けていては、失点はある程度防げても仲間の信頼は勝ち取れない。ボールを奪うための努力と工夫をし続けるべきだ。ひとりで奪えなければ、グループで戦う発想を生じさせればいい。自分よりフィジカル能力が圧倒的に優れた相手とマッチアップして、どうしたって勝ち目がないなら、やられ続けてもいい。ただ、異なる方法でチャレンジし、やられ続けなくてはいけない。工夫無きまま対峙して、偶然ストップ出来ても、それは本当の意味で力を付けたことにはならない。本当にいいチームは、セカンドの試合が息をのむような緊張感に包まれているチームじゃないか、と最近思う。下手でもいいから、一緒に戦いたい。コイツのためなら死ぬ気で頑張れる。そう思わせる部員が一人でも二人でも増えるといい。
とにかく雨が多い。梅雨前線が恨めしい。そんな中、あまりほめられたことではないが、一般生徒のいない階を見付けては走り込みをする(本当は廊下は走っていけないのだ。昭和から続くルールである。真似をしてはいけない)。今日は12分間走。全力でやり切り、束の間の180秒だけ休憩して(その間に給水とハイタッチをして笑)また12分間走。階段を降りるときだけ一瞬スピードを緩める。それ以外は常にダッシュ。そんな時、私は励ますだけ。「まだ頑張れるだろ!」「全員でやり切ろう!」…言うのは簡単である(笑)。無我夢中でダッシュを続ける顔は…絶対に負けたくない…自分に勝ちたいという気持ちが存分に表れている。声を掛け続けるこっちも…ちょっとグッとくる(いや、べつに、泣きはしない)。そして12分×2を…やり切った後の部員の表情は…本当に素晴らしい。どう素晴らしいかというと…真っ赤っ赤で…いうならばサウナに小1時間入ったぐらいの顔の紅潮具合と汗の量(笑)。走り切り、自分の汗を拭いながら無意識で「…くせぇ」というあたり、乙女度ゼロ、完全にメンズである(笑)。そんな部員の頭にあるのは…決勝で走りきれなかった自分たちの不甲斐なさか…これまで知らなかった東海の壁の高さを本気で体感した故の新たなモチベーションなのか…確実に言えるのは…まだまだ弱い自分たちはもっと成長したいという強い意志がそこにあること。
…梅雨も、悪くないね。