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顧問の独り言 2012年6月号

6月は毎年…。

総体予選を善戦するも5月で終えてしまうと、正直言ってちょっとした燃え尽き症候群のようなメンタリティーになりがちだ。どのチームも総体にかける気持ちは当然強いし、高校によっては3年生の引退を賭けた試合になる。だから大会を終えると少しだけセンチメンタルな気持ちになってしまうのも当然かもしれない。なお、決勝は椙山vs旭丘、三位決定戦は松蔭vs市邨で幕を閉じた。4強は当然どこも強豪であり、またベスト8で散ったチームも含めてどこがファイナルに進出してもおかしくないほど、最近の県内の高校は拮抗している。さて自分のチームを見てみると、幸い、部員たちは新たな課題に向き合い、次なるチャンスをモノにしようと前向きなようである。ハーフコートの実戦形式メニューをしても最近ではどんどん自分たちで要求しあってイメージの共有を目指す場面も多く、私が口を挟む余地がないときもある。そんなときの私はただ黙ってボールを出すだけのおじさんである。なんだ、自分たちの中から“もっと強くなりたい”という気持ちをグランドで発露出来るようになったじゃないか…。いつの間にか、少しずつではあるけれど“勝者のメンタリティ”を獲得しているじゃないか…。定期試験や梅雨時の影響でペースが乱れることもあるこの時期だけれど、そんなことは些細なことだ。“よし、やるぞ”と心で呟き、グランドに毎日立っていこう。

12分間走。

それにしてもラスト1分、ラスト30秒の必死さ加減は世間の女子高校生評とはかけ離れていると思う。タイムアップ直後、地面に倒れ込む様子を見た人はきっと「あそこまで疲れさせるとは…なんてヒドイ顧問だ…オニだアクマだサイテーだ」などというに違いない。それぐらい、部員たちは力を出し切っている。こんな風に言うと「へぇ~…そんな苦しいメニューなのに前向きなんて、女子サッカー部ってスゴイ!」とか思われるかもしれないが、別にそういうわけでもない。なぜなら12分間走がメニューに入っている日のフンイキは激オモである。まるで台風直前の暑苦しい雲に覆われているかのような空気を部員自ら醸し出しているのである。そんな日はリフティングをやってもシュートを打っても頭の中は12分間じゅーにふんかんジュウニフンカンで一杯なのだ。
しかし、ある部員は「スタート1分前になると急にアドレナリンが出て燃えるんです」という。またある部員は「走り切った後の達成感がたまらないんですよ」という。ここまで来ると、ちょっとビョーキか?などと思ってしまう。中には「センセイ、今日の私のランニングフォームってどんな感じでしたか」なんて質問してくる者もおり、こちらも思わずあーだこーだ話し込んでしまう。

ちなみに女性アスリート基準(⇒一般女性基準とは異なる)で3kmを超えれば一番上の『非常に良い』レベルにカテゴライズされる(ちなみに男性なら確か3.7km)。あと数10mで3kmを超えられる部員が3人。2800mを超える部員はとうとう10人を超えた。どうやら記録が伸びることがアドレナリンとかタッセイカンとかに繋がっているようだ。
このメニューを実施するうえで見逃せないのは、毎回寸分たがわず同じグリッドをグランドに準備するマネージャーの仕事ぶりである。実施を重ねるごとにその手際の良さは向上し、最近では私がグランドに行く前からグリッドが完成している(笑)。また走り終わった部員から記録を聞き取るテンポもなかなか心地よい。ともすると、ルーティーンは面白みのない繰り返しになりがちだが、そうならないための工夫が彼女たちの動きや言葉に隠されているのかもしれない。よし、今度12分間走をやるときにはそういうところに注目してみよう。

体育祭。

毎年の恒例行事、体育祭部活対抗リレー。今年も参戦し、最終組に出場。部活ごとに集まって応援する様はいつの間にか風物詩的風景になっている。今年のランナーはかな、せり、まきこ、みゆき。陸上部を始め、運動能力が桁外れに高い部にはなかなか勝てないがそれでも何とか4位をキープ。これで3年連続、最終組でベスト4入りである。来年こそはさらに一つでも順位を上げて存在感を示したいものだ。というわけで現中3生で足がとても速い人、ぜひ入部してください(笑)。

夏の計画。

目下、毎日のようにカレンダーと向き合って思案しているのはコレである。一昨年初参戦した清水レディースカップに今年もご招待いただいた。J-STEPの天然芝はやはり格別だ。なにせ代表レベルが合宿で使うくらいなのである。昨年は3位に終わり、今年こそは…と部員も考えているに違いない。また8月には初めての関東遠征も実施できる運びになりそうだ。こちらは東京では村田女子の矢代先生、神奈川では厚木東の水木先生に快諾いただき、マッチメーク、スケジュール作りなど多くの面倒を見ていただいている。本当に感謝の一言に尽きるし、もしいつか愛知に来てくださる機会があるなら最大限の恩返しがしたい、と行く前から思ってしまうほどだ(笑)。どこと対戦してもきっとチンチンにやられるだろうが、それもまた勉強である。一昨年の岡山・作陽高校遠征、昨年の滋賀・ルネス学園遠征での経験のように、今年も夏のチャレンジで大いに学び、大いに刺激を受け、そしてチームと部員の成長ぶりを楽しもうと思う。

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