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顧問の独り言 2012年5月号

5月3日、対南山。

カピタ戦惜敗から3日置いての大会第2日目。個を育てるこだわりと、チーム作りにおいて揺るぎない信念を貫く梅垣先生率いる南山高校がこの日の対戦相手。互いの持ち味は十分すぎるほどに分かっている。ちなみに顧問同士はかなりの仲良しである。
1:30、キックオフ。開始早々、ヒヤッとする場面。この日CBで起用したまきこが何とか食らい付き、相手FWのキレのある動きに対応。このゲームのファーストシュートを何とか枠から外すことが出来た。それにしても不安定な立ち上がり。中盤の構成で優位に立とうと3バックで臨んだが、システムどうこうよりも心の甘さを相手に見透かされたようなシーンに選手も気持ちを引き締めなおす。そのお蔭か、その後チーム全体がディフェンス面では緊張感を持続し、意図的なボールポゼッションとチェック&カバーを終始展開することが出来た。結果、この試合で許したシュートは前後半通じてこの1本であった。
アンガクのファーストシュートは4分。相手陣地右サイド深いところからのスローイン。ゆめからせり、リターンして再びゆめ。ほとんどスペースはなかったが思い切ってセンタリングしたところにあゆみが飛び込む。ヘディングは相手キーパーの正面を突き残念ながら得点とはならなかったが、この1年生の起用によって南山が知っている“いつものアンガク”とは少し違う攻撃が出来そうだという予感。

5分。相手ゴールキックをなみきがインターセプトし、かおり、ゆめ、あゆみと短くつなぎ、せりにスルーパス。すべて2タッチのシンプルなパス回しで中央を崩しにかかったがここは南山のお家芸(お家芸と書いてオフサイドトラップと読む)に引っ掛かってしまった。うーん、恐るべし梅垣マジック。しかし得点の匂いは少しずつ近づいてきた様相。
決定機のない中、13分。ビルドアップからえりながワイドに展開。あゆみに渡りドリブルで仕掛ける。内側に切れ込み、センタリング。流れたところをゆめがミドルを狙う。枠はとらえきれなかったが、ペナエリア外から狙うようになったのは成長の証か。そういえばこの頃TRでもかなり積極的にミドルレンジから打つようになってきた。足元のプレーに拘り過ぎていた者がボールを離す勇気をもつと格段にプレーの幅が広がる。
15分、この試合、2度目のCK。ペナルティーエリア内に南山はGK含め9人がポジショニング。しかし小さなスペースを見逃さなかったせりの正確なキックに反応したのはきわ。待望(?)のヘディングシュートにチームは大いに沸いた。1-0。素晴らしい先制弾。
17分、この日もう一人の1年生スタメンちはるのインターセプトからあゆみへ。素早くターンし、今度は一気に左サイド深いスペースに展開。走りこんだのはかおり。一瞬無理かなと思いきや、何とか追いつき相手を食いつかせて今度はマイナスのえりなへ。それをダイレクトにゴール前逆サイドに早い展開。反応したのはやはりみゆき。あと数センチ、というところでうまくヒットせず惜しくもゴールを逃すも、非常にコレクティブな攻撃。ここまでの複数人数が関わりあっての有機的な攻めはやはり見ているほうも楽しいしプレーしているほうも楽しい。その後、20分にはなみきが鋭いミドルを打つなど見せ場は作るもゴールは奪えずもどかしい時間が続く。
追加点は26分、せりのCKから。きわがヘディングで競り勝つもファーサイドに流れ、拾ったあゆみがえりなにつなぎ、もう一度折り返したボールがせりの足元へ。プレッシャーを受けるがこういう場面でのせりはやはり落ち着いている。見事なボールコントロールから振り抜かれたボールは逆サイドネットを揺らした。2-0。落ち着いて後半を迎えるには良いタイミングでの得点。
後半開始。前半終了間際に負傷退場したみゆきに替え、かなを投入。開始早々の2分、センターライン付近ビルドアップからなみき。かなのスピードを生かそうというメッセージのこもったパスを相手DFの裏へ。右サイドの突破をもくろむ。すると期待に応えようと全力で走るかなの足に相手DFの蹴ったボールが跳ね返り幸運な3点目。しかしこれは偶然ではなく必然の得点。意図的なパスと諦めずに全力で走る意識で幸運を引き込んだのである。
10分にアクシデント。CKせりからのパスに反応するきわ。しかしマークに来た相手選手と激しく接触してしまう。何とか痛みを堪え、その後もプレーを継続。しかしあとから分かったことだが実はそのプレーで鼻骨骨折をしていた。全治一か月から二か月。翌日の旭丘戦にレギュラーのCBを欠いて戦うことになってしまった。しかしこういうことは部員も私も甘んじて受け入れなくてはいけない。互いにフェアに、そして全力プレーをしたうえでのアクシデントなのだから。
その後、再三の得点チャンスをモノに出来ずなかなか追加点が奪えない。互いの持ち味を消しあうような展開が続く中、30分。中盤で攻守の素早い切り替えにより優位な状況を作る。えりなが奪い、なみき、せりと息の合った1タッチプレー、そしてワイドで待つかなへ。内側に切り込んだ先にあゆみ。中盤から抜け出してフィニッシュするも相手DFに跳ね返された。しかしそのルーズボールをかおりが拾い、ファーポストに走り込んだせりに絶妙なパス。完全にマークを外し右足ダイレクトで丁寧に合わせ、フィニッシュ。遅過ぎの感も否めないが、それでもじりじりする展開をしっかり我慢し、最後のチャンスをモノにするのも公式戦では大事なことである。そして終了間際、南山の意地の攻撃もかおりのスライディングなど好守備もあり、4-0で勝利することが出来た。

その後の第2試合。旭丘がカピタに2-1で勝利。まるで県決勝を見ているような錯覚に囚われた。試合終了時点で1位旭丘(勝ち点8)2位安城学園(勝ち点4、得失点+3)3位カピタ(勝ち点4、得失点0)4位南山(勝ち点0)。そしてすべては翌日へ…。

5月4日、対旭丘。

予選リーグ、グループA、最終日。3:00キックオフ。昨日の結果を受けるとこのゲームを勝利で終えても勝ち点8で3校が並ぶ。しかし大きな得失点差があるため現実的には2位以内は非常に難しい。試合前からそのことを分かっていたアンガクにとって、どうモチベーションを高めるかが難しい一戦。しかしこれまで一度も勝利したことのない旭丘相手に絶対勝ちたいという気持ちを皆で確認しあい、このゲームの第1目標を予選リーグ突破からこの試合自体を勝利しようと変更。当然ながら、そのことが目の前の戦いに全力で取り組む最高の武器になっていった。
前半開始。
テンポ良いショートパスで開始早々良い流れ。しかし旭丘中盤にそつのない対応をされてしまう。互いにコレクティブな展開。ファーストシュートは6分旭丘。左サイドからのセンタリングにヘディングで合わされる。一瞬ヒヤッとしたがミートしなかったボールはGKまいが落ち着いて抑える。9分、ロングボールで押し込まれ右サイドからシュートを浴びるも再びまいが反応。この試合初めてのピンチを何とかしのぎ、再び一進一退の攻防が続く。
均衡が破れたのは15分。旭丘DFから放り込まれたロングボールの処理をミス、そのまま中央を横切る形で持ち込まれ、フィニッシュにも“らしくない”中途半端な対応で失点。0-1。やはりミスが連続すると相手に余裕が生まれ、こちらに焦りが出てしまう。非常に悔いが残るシーン。

20分、中盤での攻防から一旦はボールを失うも相手のミスパスからボールはせりの足もとへ。すかさずダイレクトでみゆきのスペースへ展開。相手GKの読みが素晴らしく一度はクリアされてしまうが連動したえりなが拾い、混戦から最後はあゆみが難しい体勢ながらダイレクトにミドルシュート。最近チーム全体に意識付けが出来てきた、ペナルティーエリア外からでも狙う意識が功を奏した。1-1。安城学園が息を吹き返した。
前の試合で鼻骨骨折を負ったきわの代役として本来の中盤からCBに入ったなみきとまきこのCBコンビの奮闘と、かおり、せり、あゆみを中心にしたパス回しで崩しにかかるもフィニッシュに至る前にミスが出てしまいシュートが打てない。結局そのまま、前半を同点で折り返す。
GKまいからメンバーへ愛のこもったビンタ(?)で再び気合を入れ後半開始。キックオフ間もない時間から自陣での展開が継続する。しかし大きなミスもなく、的確なチェック&カバーを繰り返すアンガク。後半最初のチャンスは4分。まいのゴールキックでセンターラインまで運び相手CBのクリアをせりがカット。高めに設定されていた相手DFラインの裏にループパス。一気に加速したのはみゆき。流れたボールはGKにクリアされるもセカンドを再びせりが拾い、中央突破を図る。4人に囲まれさすがにボールを失ってしまったが、このプレーでショートカウンターに勝機を見出す。
7分、後半最初のCKを旭丘に与えてしまう。予定通り、ゴール前はFP2対2のマッチアップ。ミスマッチもない。しかし中央に走り込んでくる選手のスピードに一瞬遅れてしまった。動き出しの時点で良いランニングコースを握られてしまいフィニッシュの時点でフリー。ドンピシャで合わせられてしまった。チームとして痛恨のミス。1-2。旭丘得意のセットプレーにやられてしまったのは痛すぎるが、まだ挽回できる時間帯。
体力的に苦しくなってきた後半15分過ぎ、やはりこぼれ球への反応が鈍くなり、ルーズボールの支配が圧倒的に旭丘ペース。苦しい展開。しかし21分、相手陣地でのFKを獲得。ボールまで約30mをせりが直接狙う。惜しくも相手GKに直接キャッチされてしまったが、これをきっかけに相手ゴールに迫るシーンが一気に増えてきた。みゆきのスピードを生かし得意のショートカウンターを狙う。
チーム全体での気持ちを切らさない守備、跳ね返されてももう1点取れると信じてカウンターを仕掛ける攻撃。しかし…無情にもタイムアップ。

強豪相手にこれまでにないほどの試合内容を展開できたことは何よりの収穫であった今回の総体県予選。カピタ、旭丘を相手に堂々と渡り合い、1-2の惜敗。南山相手の試合でもしっかりゲームを支配することが出来た。我ながら確実に力をつけてきたと思う。しかし…勝てなかったことがとにかく悔しい。最後の瞬間まで全く諦めず、全力を出し尽くせるようになった部員たちを誇りに思う。これまでのチームメンタリティーは、試合前から心のどこかで『結局、強いほうが勝つんだよな…』という弱気が少なからずあったと思う。今回は違った。『この勝負で勝ったほうが強いんだ!』という、勝負に挑む強い気持ちがより大きくなっていた。だからこそ、まだまだ力不足であることを再認識し、ディテールにこだわり、チーム作りの再構築していこうと思う。

このメンバーで『強くて、魅力的で、やりがいのあるサッカー』を具現化し、必ず東海大会まで勝ち進もう。

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