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顧問の独り言 2013年10月号Part1

高校選手権、開幕。

昨年度からレギュレーションが変わり、秋開催となった高校選手権。男子のいわゆる“冬の選手権”にならうカタチをとるようになり今年で2年目である。学校によっては4月と5月の総体が3年引退の時期になるところもあるが、安城学園は基本的にこの大会まで3年生の活躍の場だと考えている。夏に更なる“ひと伸び”を経験した3年生がこれまでの全てを賭けて挑戦する。去来する思いを胸に、どこまで成長の足跡を残せるか。

予選リーグ。

9月29日、時習館高校。私自身は男子の指導を東三河でしていたこともあり懐かしい場所であるが、3年生以外の部員にとっては初めての会場である。少し早めに到着し、グランドを散歩させていると、当時一緒に東三河U-18トレセンを指導していた先輩先生方に出会った。互いに歳をとってもサッカーの世界で奮闘している。立ち位置が何も変わらないことに嬉しく思う。
時習館高校は今季、群雄割拠の県高校2部リーグを負けなしの首位で終え、来シーズンの1部昇格を決めたチームである。昨季から引き続き爆発的な得点力を誇る。その得点源をどう抑え、自分たちのサッカーをどう展開するか。2部とは言え全く侮れない対戦相手を前に気持ちも引き締まる。
キックオフ直後からボールとゲームを支配する安城学園。対する時習館も時折するどいドリブルから速攻を狙ってくる。互いの持ち味を出した好ゲームに第2試合を待つ他校など観客からもどよめきが上がる。
前半を終え0-0。修正点を指摘し後半に向かう。戦略通りに攻めたてる安城学園であったがゴールネットを揺らせない。何かボタンを掛け違えてしまったのかもしれない。しかし時習館のキープレーヤーによる速攻にもアンガクのDFラインや中盤はほとんど隙を見せない。

こういう試合を今年何回見てきただろうか。いつもなら、こういう流れでもギリギリで決めきるのだが…。試合終盤、ミドルレンジから見事なフィニッシュもゴールポストに阻まれてしまうなど運も無かったのかもしれない。そしてホイッスル。前後半を終え、0-0。PK戦へ。得てして押しているチームがPKになると元気が出ないものだが、一本決めるごとに笑顔で盛り上げる安城学園イレブン。ベンチも声援を送りつつ肩を組む。練習通り、素晴らしい心の持ち方、素晴らしいキックを繰り広げた。しかし選手自身の緊張感たるや、想像を絶するものだったのだろう。狙い澄ました、いつも通りにしか見えないキックがバーに当たり外側へ転がってしまう。
想定していた範囲内で、一番良くない結果。PK負けで勝ち点1。

10月6日、第2戦、vs岩倉総合高校。率いるは佐伯先生。魂の部分でかなり共通項を感じさせていただいている大先輩である。サッカーというスポーツを通じて学ぶべきことは何か。高校生として部活で経験すべきことは何か。そういう話をしているときの佐伯先生は最高にアツい。そんな先生が率いるチームは、これまた実に気持ちが良い。この日も朝8時になる前からテント設営、グランド準備に汗を流してくれた。
ゲームはキックオフ3分、早速動いた。左サイド奥、角度のない難しいところからFKを直接たたき込まれる。これで難しい試合になるかな…と思った前半12分にえりなが右サイドに絶妙の展開し、合わせたゆきよが中央への突破。これに釣られた相手DFの背後ではるなが冷静に詰めて同点。さらに5分後、今度はあゆみのセンタリングにドンピシャで飛び込んだかなが“らしいプレー”で流し込んで2点目。溜飲を下げる。後半に入り、今度は相手ゴール前の混戦、ゆきよが文字通り押し込み3点目。そして後半24分、あゆみの絶妙なスルーパスに飛び出したふたかなが相手GKとの1対1を落ち着いて決めて4点目。終盤、岩倉総合の粘りに苦戦する時間帯はあったが戦う姿勢を失わなかった守備陣が奮闘。何とかしのいで4-1でフィニッシュ。
2試合を終え、勝ち点5。他カードの結果次第ではあるが、この時点で予選リーグ2位で決勝トーナメント進出がほぼ確定。

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