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顧問の独り言 2018年2月号

『このメンバーで、どこまでやれるか、続編。』ー 新人戦 準決勝と決勝 

2月3日、準決勝。口論義公園サッカー場は今大会初めてと言って良いほどのサッカー日和。少し体を動かせばすぐに温まり、風もほとんどない。対戦するは愛知啓成。完全に4強常連。ちなみに1月実施の県高校リーグ最終節ではアンガクが新チーム直後だったとはいえ0-4でやられた相手。そのポテンシャルは相当に高い。苦戦必至の対戦相手を前にどう対峙するか。

苦しい展開が続くのは試合前からの織り込み済み。そんな中でも堪えながら自分たちのストロングポイントを表現することが出来た。前半29分、リオのサイド突破から受けたナツキがキープし見事な反転。このターンスピードが凄かった。最高のクロスにドンピシャでナギが合わせて先制ゴール。啓成の攻撃に耐えた中で手に入れたゴールだからこそ爆発する喜び。熱気冷めやらぬ前半35分にはCKのチャンス。リオの放物線に合わせたのはハナ。練習で取り組んできた一つの形が、この局面で結果として表れた。そのまま前半終了のホイッスルが鳴り響く。2-0でハーフタイム。想像をはるかに越えた結果と内容で後半に立ち向かう。
しかし勝負はそんなに甘くない。後半早々足が止まりがちなアンガクに啓成が襲いかかる。後半3分にサイドから中央へのダイレクトな展開を許しこの試合初めての失点を許す。1-2。これで再び気持ちが引き締まる。さらなる攻勢を仕掛けてくる啓成に対し後半6分、裏に出されたボールにGKソラが勇気を持って飛び出す。ダイレクトクリアのボールが今日はサイドに入ったタマの足元に吸い付くように収まった。その落としをヨッシーがダイレクトスルーパス。ボールの行き先はナツキ。目前の啓成DF2人の間を一気に突破しそのままGKをもかわす技ありのドリブル。あとは流し込むだけだった。これで3-1。後半12分にはサイドからのパスを受けたヨッシーが前を向いて右足一閃。25mの距離を叩き込んだ。4-1。今日4度目の歓喜の輪が広がる。残り時間は23分。しかしこのまま終わらないのが新人戦、このまま終われないのが4強と言われる所以であろう。再び啓成の怒涛の反撃が始まった。後半21分、中央のエリアで相手FK。ゴールまでおよそ25m。一度は跳ね返すものの勢いに圧される形で失点。4-2。残りあと14分。さらに後半32分、サイドからターンを許し、中央へ鋭いスルーパスを入れられてしまった。1失点目と同じような形。今度は守備陣が決死の対応をするもそのスピードに一瞬遅れてしまった。4-3、とうとう1点差。残り3分。その後も球際の激しい攻防は続いたが何とか凌ぎきりこのままホイッスル。文字通り100%出し切って…成功も失敗も本当に全ての力を出し切ってプレーした結果だった…このチームで、とうとうファイナリストに。あれだけ、勝利への確信が持てなかったチームがここまで成長した。とうとう決勝進出。本当に素晴らしい。

3年生が引退し、今回の新人戦は勝ち抜いていくことが本当に難しいと感じていた。準備期間の短さ、主力の大幅な入れ替えなど懸念材料を挙げればキリがなかった。12月、新チーム立ち上げ当初は連戦連敗。無論、結果を強く求める時期ではなかったがそれでも心のどこかでは「勝ちきるのが難しいな…」とさえ感じたのも事実。ただ、それでも徐々に試合内容が向上したこと、そして練習にただひたすら真面目に取り組む姿勢が心の拠りどころであった。また2年生に最高学年という自覚が芽生えてきたことを感じる場面も本当に増えてきた。
新人戦は人を成長させる、と本当に思う。

2月10日、決勝。vs聖カピタニオ女子。
おそらく、間違いなく、いままでで一番苦しかった決勝だった。前半0-3、後半0-4。トータル7失点。
誤解してはいけないのは決して無抵抗だったわけではない、ということだ。前半よりも後半の方が球際のチャレンジができた。サイドも中央もグループや個で対応できたところはあった。相手守備陣に対し果敢なドリブル突破を見せた場面もあった。一言でいえば、自分たちなりに今ある力を出して目一杯戦った結果だということだ。
悔やむべきはディテールにおける詰めの甘さにある(日常の取り組みにおける甘さ、と言い換えることも出来る)。反省材料はアジリティーと心肺機能、そしてまだまだこだわりきれていないスキル。
幸いなのは、言葉だけでなくこの時期にそれを体感できたこと。しかも公式戦の決勝で。ファイナルに進出したことの意義は間違いなく多岐に渡る。
勝負はこれからだ。春、夏、そしてその先に。

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