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顧問の独り言 2015年5月号Part1

総体県予選、予選リーグ。

新年度に入り、早や一か月。すでに各種目で全国総体に向けた地区予選、県予選が始まっている。加盟校数の関係で県予選から始まる女子サッカーもすでに予選リーグが全節終了。まずはアンガクが戦った2試合を振り返ってみよう。

4月29日、対金城学院高校。中高一貫の中、時には高校生の部員数に悩みながらも地に足付けて持続的な活動を行っている学校だ。公式戦での対戦機会は偶然にも毎回のようにあり、その都度白井先生の丁寧かつブレない指導には頭が下がる思いである。1年生を交えた公式戦は無論初めて。数人には出場機会があるため、チーム全体が冷静にプレー出来るか、が焦点であった。会場となった小坂井高校への到着時間は予定より少し遅れたが、特に慌てる様子も無くキックオフ直前。こちらの想像していたより過緊張の姿は無く、これまでにないほど安定したメンタリティーで試合に臨むことが出来た。
内容的には…怪我からの回復具合がまだまだ芳しくなく、それでも実戦の中で試せたことが救いか。トータルでの仕上がり具合は正直60%程度だと思うが、そのおかげで無駄な力が入らずプレーできたのかもしれない。7ゴール(しおり3、ほのか2、ななか2)を挙げ、交代枠も5つ全て使い切り、試合終了。ただ、スコアとは別に、身体能力に優れ、最後まで戦う姿勢を見せてくる対戦相手だったからこそ、マッチアップは難しい局面もあった。簡単な試合は一つもないことを学ぶにはこれ以上ない素晴らしい対戦相手であった。
5月5日、対岩倉総合高校。心の師サエキ先生率いるチームと公式戦での対戦は2013年の秋まで遡る。練習試合では恐らく県内で最もお邪魔している回数が多いグランドであるが、公式戦は全くの別物。しかも勝った方がリーグ1位として決勝トーナメントに進出するという大切なゲーム。

前半0-0、後半3-0。前半得点できなかった相手に後半だけで3得点というのは評価に値する。無得点に終わった前半も後半ほどではないにしてもゲームを支配することには成功していたし、フィニッシュには恵まれなかったものの、得意とする攻撃のカタチをいくつか表現することは出来ていた。…キレイ事を並べるならそれで良いかな、と思う。

良いプレーもミスも含めて自分たちらしくプレーするには心技体全てが揃っていなければいけない。全てをつかさどるのはその瞬間の心のもち方であり、サッカーと向き合う姿勢だ。そこにユルさは無かったか。甘さは無かったか。行きのマイクロバス車内。W-UPの様子。メンバーチェック時の心境。キックオフの瞬間から挑戦する覚悟は持ち合わせていたか。何かフワッとした気持ちが自分たちを覆っていなかったか。周囲の、他人のせいにしていなかったか。勝負には勝ちたいが良い結果だけを求めたチーム作りをしている覚えはない。自分と向き合い、自分たちと向き合う。対戦相手と素晴らしさを認め合う中で〝やりがいのあるサッカー〟〝魅力的なサッカー〟を展開するために、毎日練習をしているはず。そういう、『チームとしての本質』を多少なりとも見失っていたことが悔しい。
岩倉総合の粘り強さは予想通りだし、今までの練習試合以上に声を掛けあい戦い続けるところも本当に素晴らしかった。想定を超えて全員守備に関して強い意識を持っていたことも手強さに拍車をかけていた。普段、笑顔と真剣な表情しか見せない岩総メンバーが悔しそうにする姿は、この試合が互いにとって、いかに難しかったか、雄弁に語っている。

次戦から決勝トーナメント。難しいゲームがチームを鍛えてくれる。

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