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顧問の独り言 2012年9月号

充電。

県選手権を8強で終え、チームとして一つの区切りを迎えた9月。様々な進路希望をもつ3年生に対し高校サッカーとどこまで関わっていくのか、改めてじっくり考える時間をもたせた。逆に言えば3年生が再合流するまでが新チームの色を見るいい機会でもある。

2年生5人がこれほど主体的に、あるいは能動的にトレーニングに挑む姿は想像していなかった。どんどん前に出てくる2年生に感化されて1年生8人も自分(たち)がいま出来ることに目一杯チャレンジしていた。練習後、「今日の自分の出来はどうでしたか?」なんて聞きに来る者も。フィジカル的に追い込むような、ある意味、理不尽なメニューも実施したが、そういった時もひるむ様子は全くない。なんだ、出来るじゃないか。この調子で継続できればバックアップメンバーも充実してくる。そう思わせる数日間だった。

リスタート。

3年生がそれぞれに決断し、再びチームに戻ってきた。思いを新たに“このチームでもっとサッカーがしたい”。そういう気持ちが伝わってくる。しかしその思いとは裏腹にすぐにはチームとしてフィットしない毎日。ターニングポイントになったのは22日に訪れた伊賀FCくノ一(なでしこリーグ所属)サテライトU-15とのTMだったか。このマッチメークは顧問の私にとっても念願だった。指導されている山﨑監督とは一昨年の岡山遠征以来。静岡のワイズメンズカップで知り合い、安城で雨の中合同TRをし、岡山でTMをしていただいた。そして今回、三重で勉強させていただくこととなった。チームとしては年代的には相手の方が下級生だが能力的には当然高く、個人技術やグループ戦術は学ぶものばかり。とはいえ安城学園も決してやられっぱなしではなかった。球際の厳しさや縦に抜けるスピード、そしてゲームが進むにつれての修正能力でいくつか相手の嫌がる仕掛けは出来たと思う。そして充実のTMが終わり、山崎監督から熱い思いのこもったメッセージを部員全体にいただくこともできた。日本代表(今でいう“なでしこジャパン”)を経験し、前十字靭帯断絶と数度の手術など、多くの壁を乗り越えつながりを大事に今を生きている人からのメッセージは何物にも代えがたい。その翌日、高校リーグ1部、対春日井商業の一戦はくノ一戦が生かされ心身ともに充実の内容。シュートミスなどいくつかの修正すべき点はあるがスコア以上の見事な戦いぶりができた。

高校選手権、開幕。

Aリーグ
椙山、至学館、金城学院、春日井商業
Bリーグ
旭丘、岩倉総合、時習館、同朋
Cリーグ
松蔭、岡崎商業、小坂井、一宮商業
Dリーグ
市邨、安城学園、聖カピタニオ、南山・愛知啓成、菊里

9月30日、高校選手権開幕。初戦は対市邨。台風18号の影響が確実視される中、試合開始を3時間前倒しして実施。会場に着くとすでに菊里と南山・愛知啓成が熱戦を繰り広げている。
W-UPを終え、11時半キックオフ。いつもの悪いクセか、立ち上がりから攻守がかみ合わない。学校行事の疲れなのか、それとも市邨の勢いに押されたのか、いずれにしてもここ最近ではワーストの出来。開始早々、判断ミスから生んでしまった決定的なピンチもGK麻衣の好セーブで何とか凌ぎ、前半20分あたりから調子を少しずつ持ち直す。が、中盤でのポゼッションにダイナミズムが足りない。決定機を生み出すには至らず、前半終了。0-0。
ハーフタイム、戦術的な修正点と持つべきメンタリティーについていくつか話し、顔が上がる状態まで回復。これで何とかなるかな…という雰囲気で後半へ。
前半とは異なり、明らかに集中力が高まった後半。役割が明確になったおかげか攻撃にかけるエネルギーが徐々に大きくなってきた。すると後半14分、右サイド相手スローインからインターセプトしそこからみゆき⇒あんな⇒ゆめとダイレクトのショートパスで展開、ゆめが中央からアウトサイドで美しいラストパス!しかしここまで得点が奪えていなかったせいか丁寧に行き過ぎ、フィニッシュは相手GKの正面を付いてしまった。また後半24分過ぎには連続してCKのチャンス。しかしここも動きはダイナミックになったもののわずかにワクを外してしまう。結局、決定機を決めきれず、0-0のスコアレスドロー。PKでの決着をつけることに。
両チーム5人ずつ終えて互いに一本ずつのミス。サドンデス突入。口から心臓が出そうな展開ではあったが相手8人目をGK麻衣が見事にセーブ。再び“神降臨”の瞬間を目撃(笑)。県選手権から数えて3つ目、PK戦3連勝が決まった瞬間でもあった。これで勝ち点2を獲得。本当は流れの中で勝負をモノにしたかったが、それは選手も同じ。大事なのは負けてはいけない勝負で負けなかったこと。目標に向け、一歩前進したことは事実。この“生みの苦しさ”を次の戦いの糧にしなければ。

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