7月25日から8月27日まで。日差しの厳しさに苦しみながらもあっという間に過ぎた感がある充実の夏休み後半を振り返る。
7月25日〜27日。滋賀に向かう。この時期はこれまで5年連続で清水に遠征(清水レディースカップ参加)していたが、今年度から新しい取り組みになる。とはいえ、行き先は事あるごとにお世話になっているルネス学園。今回も諸岡先生鳥飼コーチ始め、多くの皆さんにお世話になった。最終日には恒例(?)のルネスTOPに挑戦。アンガク出身のふたかな&きゃらへのマッチアップは困難を極めたが要所要所を何とか対応し、スコアレスドロー。また二日目には勝手なお願いをして吉岡先生率いる桐陽高校との東海プリンセスリーグも実施していただいた。試合前後には酷い大雨に見舞われたが、雷を回避できただけでも幸運だった。スコアは前半先制を上げたのが桐陽、後半アンガクが追いつき、1-1ドロー。前半、桐陽の迫力あるプレスは非常に力強く、鍛え上げられている充実度が伝わってきた。1失点で済んだことは幸運だったと言っていいレベル。ただ、ハーフタイムでちょっとした修正を加えると改善のテンポが上がる。このゲームにおける前半のミスと後半の修正は本当に良い学びであった。
8月2日には久しぶりに追手門学院高校とゲームをする機会に恵まれた。静岡方面に向かう途中、安城に寄っていただいたのだ。今年度、総体大阪府予選での準優勝は大きな話題になったが、そのチームとの対戦に練習ゲームとはいえ大きな意義を感じる。大橋先生は「1〜2人の怪我人は除いてあるけどアンガクとやるときはトップメンバーだよ」と言ってくれた。この気持ちがとにかく励みになり、そして心から嬉しく思った。部員には『アンガクとのゲームにトップチームを組んでくれる。これを当たり前と思ってはいけない。次にやるときもまたトップで組んでもらえたら…この日の試合が良いものだったという証拠になる』と話した。実際、戦力充実の追手門にはなかなか苦しい時間が長くなったが、それでも良い対応、良い局面も幾つか引き出すことが出来たと思う。思い返せば2015年の正月に伊勢遠征で引き分けた試合が、この日の対戦につながっているのは間違いない。今日の結果と内容が、次はどこにつながっていくのか…。こうしてチームの歴史は受け継がれていく。
8月9日から12日まで北陸大学へ。渡辺先生から声をかけていただくフェスティバルもこれで通算3回目。他チームに比べ実力も実績も見劣りするアンガクに温かい声をかけ続けてくださる渡辺先生、そして男子部含めた総監督である越田先生には心から感謝しかない。人工芝ピッチ2面に2階建てのクラブハウスというちょっと他ではお目にかかれないほどの素晴らしい環境の中、星稜PEL(9日)、福井工大福井(9&10日)、村田女子(10&12日)、大阪学芸(11日)、帝京長岡(11日)、金沢伏見(12日)と対戦した(全て35分ハーフで前後半)。ただでさえ苦労することが安易に予想できる対戦カードの中、さらに二日目からは国体選出の2名を欠くメンバー構成となったアンガク。残ったメンバーで苦労を共有しようと奮闘を促し、怪我人以外、全員がピッチに立つことを決断。しかし不安は的中、久しぶりの二桁失点を喫する苦労も味わった。ただ、大敗の結果を受け入れる以上に思考しなければならなかったのは…いつの間にかゴールネットを揺らされることに慣れてしまう危険性…(予想される)結果を(終わってもいないのに)安易に受け入れ、抗う姿勢を見せられない心の弱さ…であった。落胆するだけでは北陸の地でチャレンジする意味がない。二日目夜のミーティングでは全員いかにして守備意識を表現するかということを共に考え、部屋ごとのグループミーティングを実施。顔色に生気が戻った。改めてこだわり抜いた三日目から、それまでと異なる表情と姿勢をピッチ上で見せることができたと思う。
少しだけ、北陸エピソード。
村田女子、矢代先生。これ以上ないメンバーを組んでくださったり、夏遠征の経験を語ってくださったり。しかし今回一番温かさを感じたのは10日の試合後。大敗を喫して肩を落とすナカノの姿を見た矢代先生。落ち込む私を元気づけようと〝勝利〟と書かれた栄養ドリンクを持ってきてくれたのだ。わざわざマイクロに戻ってまで!もう…なんだか泣きそうであった。
帝京長岡、松野先生。これまでも幾度かお近づきになる機会はあったものの、今回やっと会話する機会が増え、先生の真髄を知る瞬間が何度かあったことが素直に嬉しかった。部員の怪我やコンディションに苦労していると言いつつ、ものすごく吹っ切れた表情で「でもね!ウチは頑張るしかなんですよ!」と快活な言葉。ピッチ内外、ぶれない姿勢で取り組む姿に〝帝京長岡の美しさ〟の根源を感じ、〝哲学を具現化する方法論〟に大きな刺激を受けた。
大阪学芸の副島監督と北陸大学越田先生の会話を傍で聞いていると示唆に富むことばかり。『シャイで内気な性分は結局その子自身の向上、成長をジャマする』『選手発掘にかけるエネルギー』『個性を生かす。個性的なチームを作る。』『さまざまなカテゴリーでの指導経験をどう生かすか』などなど。(私の覚え書きだと思って列記しているが)それにしても海外での指導の御苦労だったり、(当時の代表合宿場所だった)検見川の話だったり、それにまつわる有名選手の数々だったり…。全てが昔話でなく〝振り返ることが今に繋がる〟視点で話されていることが大変興味深く、そのような場に居合わせる幸せ、のようなものを感じた。
14日、国体東海ブロック大会。
いつもより早めにトレーニングを終わらせ、そそくさと豊田市へ移動。この日は国体を応援しつつサッカーを学ぶ日。チームを二手に分けて2会場を行ったり来たり。同一時刻でのキックオフが少し恨めしい。応援するのはもちろん愛知と岐阜だ。私は前半、岐阜を観戦。下馬評では三重の充実ぶりを耳にする機会が多かったが岐阜の組織立った2ラインの守備網は見事だった。守備意識における的確なプライオリティが随所に表現された試合。そんな中、グッと引き込まれていた意識を引き戻す携帯の着信はカピタ多田先生。愛知対静岡の会場からだ。互いの会場ともまだスコアが動いていないことを確認し合う。安城学園の遥、カピタの結奈。2校からそれぞれ岐阜代表に選出された選手が近いポジショニングを取りながらグループとして機能していると伝えると、受話器の向こうから少し誇らしげな空気が伝わってきた。
前半を終え、もう1つの会場に急ぐ。愛知対静岡。圧される時間が増えつつも奮闘する愛知のメンバー。難しい選考を見事に乗り越えて安城学園から選出されたしおり。どうやら後半途中から出場の機会が与えられる模様。ピッチに目をやると椙山とカピタから選ばれた選手が臆せず堂々とプレー。それにしても高体連で活躍するプレーヤーが国体に名を連ねるのは本当に誇らしい。クラブや大学の選手とともに、複数の高校からリストアップされる可能性が出てきたことが愛知の高校全体のレベル向上を感じさせる。
後半の静岡は持ち前のスキルの高さを動きの中で発揮してきた(のではないだろうか)。セレクトとは思わせないコンビネーションは(悔しいけど)さすが静岡、といったところか。積まれた得点に…それでも果敢に立ち向かってプレーし続けたのは…愛知に三壁イズムが浸透したからこそだと思う。
結果、愛知岐阜ともに国体は全国の扉を開けなかった。苦労と努力に見合う結果を手に入れることの、何という難しさ。ただ、その場に自分達のチームメートがいることはとても誇らしく思え、見慣れないウエアに袖を通した姿には少し嫉妬心を覚えるほどだった。
この二人が、戻ってくる。またチーム力は上がっていく。
24日、尾張なでしこカップ運営協力(旧小牧カップ、別名南山梅垣カップ)。全国の名だたる中学校女子サッカー部が名を連ねるこの大会、微力ながらお手伝いさせていただく機会をもらった。大雨と雷の影響もあってこの日はやむなく中断するハプニングもあったが本当に意義深い企画。会場や運営等、より発展させたいという思いもあって今後は別地域で継続開催される見通しとのこと。それにしても立ち上げからここに至るまで、カニ蔵先生の八面六臂(あるいは七転び八起き)の活躍には、もう、この一言しかない。「あんた、マジすげーよ」。
おっと県内高校との試合を振り返っていなかった。これはいけない。一番大事なのはやっぱり愛知の高校女子サッカー!駆け足でいこう。
7/29、県高校リーグ1部第3節 vs椙山女学園。スキルフルな好チーム相手に前半は見せ場を作るもスコアレス。後半途中、夏季補習から大急ぎで戻ってきたしおりを投入。すると周囲との連携も見事になんと20分間でハットトリック達成。1失点を喫するも終了間際にななかが追加点を決め4−1で勝利。試合後には同会場でリーグ戦を行なった至学館と岡崎商業を交えてTM。これまた充実の時間。
8/6、県高校リーグ1部第4節 vs岡崎商業。久しぶりの西三河ダービー。しかし会場は佐伯師匠の岩倉総合。言わずもがな、心のホームグランドである(笑)。岡商にとっては勝ち取った1部の舞台。期するものがあるに違いない。前半、れおなはアーリークロスへの好反応、しおりはなつきからの好パスを受けてドリブル突破。それぞれ周囲との連携から1点ずつ。後半17分、アグレッシブな展開から再び前を向いたしおり、その視線の先にいたのは後半から左SHに入ったマイ。しおりからの完璧なスルーパスを、これまた完璧に右足インステップでダイレクトに捉え、ゴール右隅に吸い込まれた。素晴らしい得点シーンに歓喜の輪が広がった。ただ、公式戦初ゴールに興奮しすぎ、自陣に戻り忘れたのは絶対に内緒である。その後りおのスルーパス(これも初アシスト、かな?)に抜け出したれおなが追加点。結果、4-0でダービー勝利。なお、終了後にはセカンドメンバー中心のTMも実施。初心者1年生が力をつけてきたことも嬉しい限り。
8/17には至学館とセレージャを招き、TM実施。3チームともどんどんメンバーを入れ替えながら質の高い攻守をトレーニングできた(と思う、多分)。セレージャは初期の頃からじっくりゆっくり関わってきたチーム。それにしてもピッチの内外、本当に良い指導をされていることが見ていてもじわじわ伝わってくる。振り返ってみると自分たちはどうだろうか…。時間が経っても絶対に忘れてはいけないことがあるんだよと、多くのことを思い出させてくれた1日であった。心から感謝。
というわけで、ひとまずここまで。
7月8月の体験入部、そして実はすでに始まっている皇后杯県予選(愛知県選手権)は、また次回に。