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顧問の独り言 2018年10月号Part3、と11月少し。

『13期生の足跡、初陣。』ーさよならミーティング、県高校L第5節 

10月30日、さよならミーティング。
ここ数年、高校サッカー人生を終えた3年生を主役にするミーティングは、引退してから一週間ほど経ってから実施している。約2年半もの時間を一緒に過ごしたのだ、それぞれに振り返る時間が必要だし、後輩も自分たちの活動を報告するため、少し間を置く必要がある。
午後4時に新キャプテンのリンが私を呼びにきた。1年前はきっとナツキが呼びにきたのかなと、ふと思い出す。あれから、1年が経った。

最後の試合が終わった後、もう出す必要はないのに相変わらず提出するノートも、いつの間にか3年生の定番となった。今年も7人のノートはそれぞれの個性があった。自分たちの力不足を自虐的に書く者、自分のことはさておき仲間のプレーについて良いところを一生懸命に見つけて記録する者、後輩との会話を嬉しそうに記す者もいる。時には論理的に、時には感情的に。その時々の心の揺れのようなモノが、部員たちの成長そのものを明白にする。
熟読したあと、私の返信はいつもだいたい1行か2行。戦術的な質問が書いてあると図で示すこともあるが、まぁ、そんなことは稀だ。正直言うと忙しさに感(かま)けて書ききれない時もある。
高校サッカー生活最後のノートはいつもより少し長くて、そして感傷的になる。それは3年生が書いてくる文章もそうだし返事を書く私も同じだ。あんなにたくさん怒ったのに…あんなに思い通りにいかなかったのに…それでも口を突いて出るのは感謝の言葉ばかり。

ミーティングの教室に行くと、最前列に3年生7名。その後ろに整然と2年生と1年生が着席。先輩は伝えるべき言葉を吟味し、後輩たちは聞き漏らすまいと正面を向く。
その場で先輩たちがどんな話をしたかは後輩だけの宝物にしよう。

山下はな。
怪我が多かったね、しかも長引くヤツ(笑)。そのたびにグランドは静かになり、はなの存在意義が際立ちました。スタメン落ちの悔しさをエネルギーに変える人間力は見事でした。カピタの#10と勝負したいという気持ちが、そして最後まで絶対に諦めないという強気が、きっとスタメン復帰の原動力です。最後まで素晴らしい戦いぶりでした。
小柳愛実。
豊明トリオの中で最初に出場したのはあみだった、かな?久しぶりに右サイドでスピード勝負できる選手でした。あの怪我はこれからという時期でしたね。口論義で前十字靭帯を痛め、旭丘で再発。本当に惜しかった。黙々とリハビリに挑む姿は仲間や後輩の心に間違いなく残ります。
中本莉緒。
口数は多くないけどいつの間にかピッチで一番仲間に声をかける選手になりましたね。救われた後輩、多数です。技術も心も驚くような成長を遂げてくれました。セットプレーのキッカーに指名したことは大正解でした。中学でサッカー未経験でもここまで出来るようになったのは努力家ゆえ。コツコツと取り組む姿勢は後輩たちの手本です。

上田のぞみ。
最後のノートにGK転向の日にちを書いてきたのには驚いた!それだけ思い悩んで決心したのだね。グランドの片隅で、時には悔し涙をこらえながら必死で練習に励む姿が記憶に残ります。自分と向き合う心を手に入れて、GKの後輩とも全力で向き合おうと決心してくれたことは、チームの財産でした。
中野珠実。
途中出場、わずかな時間でもゴールを決める姿が頼もしかった。そのプレーに賞賛を送りつつコッソリと悔しそうにしていた豊明トリオの二人を思い出します(笑)。最高学年になり一層、その存在感は絶大に。セカンドメンバーと共に励まし合い、時には意見を求め、自身も貪欲に成長の階段を昇ってくれました。心の中ではトップチームでもっと出場したいという思いを抱えながらそれでも自分の役割を全うする姿勢は、アンガクの誇りでした。
二宮楓香。
急に前向きになったのは…2年生からかな?それまでの、のほほんとした取り組みが一変したことを覚えています。インフロントキックの飛距離が経験者を凌駕するほどになったのは苦労と努力のおかげ。セカンドをリードしてくれた、もう一人の主役。後輩にあれだけ厳しく接しても別れを惜しむ涙で溢れたのは、思いが伝わっていた証拠です。
千賀夏希。
見事に13期を引っ張ってくれました。忘れられないのは2年前、チームとして初めての東海大会、先輩を差し置いてPKキッカーに名乗りを上げた場面。1年生にしてすでにチームを背負う気概をみました。そして今年度、主将としてどうあるべきかという難題に日々直面し苦悩した経験で一回り大きく成長しましたね。倒されても倒されても、必ず真っ先に立ち上がる姿。部員全員が憧れたのはプレーだけではなく、その強い心だったのかもしれません。

13期生7名。残す集合は卒業アルバム撮影と卒業式直前の〝贈る会〟。また会う日を楽しみにしよう。

最後に試合報告を。
11月3日、県高校リーグ1部第5節 vs南山。新チームのオープニングゲーム。
恒例(?)となった〝初戦が南山〟というシチュエーション。
角度のないところからリナが鋭いフィニッシュで口火を切り(公式はオウン)、CKから直接放り込んだ新主将リンが記念すべき新チーム初ゴール、後半にはヒロナが押し込んだ。後半には5枚の交代カードでさらに多くのチャレンジを継続。終始攻撃的にゲームを進めることに成功したが南山らしい粘りとこだわりに大いに苦労し、スコアは3-0。新しいポジションや新しいシステムなどを試し、課題もあるがそれも成長のきっかけとしよう。
試合後、対戦した南山梅垣先生のコメントが秀逸。「安城の…奥行きというか…深さ、振り幅の大きさ…みたいなモノを見た気がします」とのこと。さすが梅さん、見る目がある(笑)。
安城学園、これからもっと強くなるべく頑張ります!

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