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顧問の独り言 2018年6月号

『チームの差、経験の差。』ー 県総体決勝 

6月2日、聖カピタニオ女子との今年度初対戦。2015年2月の新人戦から始まった決勝での対戦成績は0勝9敗1分。今年こそ、の思いはやはり強い。

前半。
11分。最大限の注意を払っていたシーンで、その上をいかれてしまった。挟みにいけたのに、飛んで競ったのに。セットプレーからヘディング。0-1。
14分。左サイドからセンタリング、状況判断して攻撃をやり直す、そして逆に展開。唯一無二のタイミングでサイドバックから最高のクロス、そしてダイレクトボレー。1-1。
28分。カウンターの行き先はアンガクDFの背後へ。そして間髪入れないセンタリングを浴びた。GKの伸ばした手が一度は触れるも逆サイドのケアが遅れてしまった。1-2。
後半。
20分。押し込まれたサイドの攻防。苦しい状況ではあったが対処は出来ていた。ただ、放り込まれたボールは2回バウンドし、ゴールに吸い込まれた。余りに無慈悲な失点。1-3。
35+2分。サイド深いところにプレス届かず。クロスに抵抗するも高さあるヘッドで合わされた。しかし出来ることは本当になかったのか。1-4。

あえて心の内を書く。

もちろん私たちはこの試合に勝利する覚悟で挑んでいた(数年前まではこのように書くこと自体、少し勇気が必要だったが今はこう書いても随分と笑われなくなったのではないか)。だからこそ、この試合のテーマは「つなぐ判断」だった。良いところもそうでないところも想定内で試合を進めることができていた、前半20分ごろまでは。

何を恐れてしまったのだろう、と思う。原因をどこに求めるか。それは個でなくチームにあり、学年でなく経験に求めるべきだ。だから全員で取り組む練習の質を向上させなくてはいけない。プレスを剥がす術をトレーニングで落とし込まなくてはいけない。時間の経過とともにパフォーマンスは当然落ちてくるが、それを落とさず維持出来る走力をつくり上げなくてはいけない。

ハーフタイムでは徐々に穏やかな表情を取り戻しながらも、今思えば少し静かすぎた。『自らコメントを発し、それによって周囲の発言を引き出す』という良き伝統が影を潜めつつある。ここにもあえて危機感をもとう。意見をもち改善策を探り、局面打開のヒントを自分たち(の言葉)で引っ張り出す。どの引き出しを引っ張るのか自らが考える組織に、再び。引き出しをつくるのは私の役目で、どの引き出しを引っ張るのか決めるのは、その瞬間、ピッチに立つ11人だ(無論、引き出す優先順位は根拠をもって示すし、実際にどの引き出しを引っ張ったとしても上手くいかなければ責任は私にある)。

試合後には「事実と向き合うことで悔しさを忘れない」ことの重要性を伝えた。だから今回の独り言は失点も得点もその場面について(許されるであろう範囲で)記憶を呼び起こせる内容を記述している。読んでこみ上げる悔しさが次のエネルギーに必ずなる。

表彰式。アンガクは1名で済んでしまった、カピタニオは6名も必要だった。本当に悔しい。県総体の優勝旗は多田先生が持ってきて、多田先生が持って帰った。

総体東海予選。私は盟友とともに運営に回る。運営は滞りなく大会を進めることのみが役割。声高に応援することは憚れる。
だが、声に出さずとも心は一つ。
がんばれカピタ。愛知の地で、ロッソネロに勝利を。

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