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顧問の独り言 2017年11月号Part3

『2つのチャレンジ。』ー 東海地区予選三位決定戦 

2017年11月18日。
全身全霊で挑み、最後の最後まで戦った。
誇らしいのは部員全員の結束。
悔しいのは負けてしまったこと。
悲しいのは、もう3年生と一緒にプレー出来なくなること。

それにしても色々な人に応援してもらったなぁと思う。朝、カンテラ号の前に看板。私たちの日常を知る野球部一同から〝全国目指して頑張れ〟のメッセージ。学校には初めての応援バスを手配してもらった。学校見学会と同日になったこともあり生徒会顧問団には相当面倒をかけたと思う。しかしそのおかげで部員とつながりのある生徒諸君が降雨と分かっていたにもかかわらずたくさん来てくれた。部員のクラス担任や授業での姿しか知らないという先生方にも応援に駆けつけて頂いた。昨年度、初の東海地区予選出場を拓いたOGも。そして部員保護者や兄弟の姿、多数。
本当にすべて、感謝しかない。

FIFAアンセムをBGMに、FAIR PLAYフラッグを先頭に、両チーム入場。赤と黄が並んで進むのはやはり重要なゲームに相応しい、と手前味噌ながら思う。しかしステージは県ではなく、東海。自ずと高まる緊張感。定刻通り、1:00PMキックオフ。
ゲームの入り方は上々。一ヶ月前の県決勝とはまるで別のチーム。あのときは、まるで同格であるが如く勘違いとミスの連鎖があった。今日は違う。大切なのはチャレンジする心。受け身ではなく挑戦的に。失敗があってもそれすら予測の範疇に。

誤算は相手との間合いだった。
前半15分、サイドの突破を許し中央で合わせられた。0-1。早い時間帯での得点に盛り上がるカピタ応援団。しかし下を向かないアンガク。

中央の攻撃は偶然ではなく意図的なもの。
前半22分、ショートパスから走りこんだ夏希がカウンターの矛先にいた。チーム主軸として日々取り組んだ自覚がカピタ守備陣より一瞬先にボールに触れることができた要因だ。1-1。沸き立つ黄色。冷静な赤。
試合を振り出しに戻すことに成功。

ハーフタイム。控え室には戻らずピッチ上のベンチで。傍らではチーさんが顧問の独り言を必要に応じて選手に伝え続ける。選手同士のコミュニケーションも落ち着いており、時折笑顔も見られた。前半終了直前、心配だったレオナの負傷は対人ではなく地面に打ち付けてしまったからと判明。酷い痛みにも苦笑いで周囲の心配を一蹴。いざ後半へ。

濡れた芝に思わぬ対応を強いられた。
後半3分、後方からアーリー気味に展開された。相手FWと交錯したこともボールが見えにくくなった理由だと思う。スリッピーな芝はボールの動きを加速する。何が起きたか分からないような場面。慌てて追いかけたが無情にもそのままゴールへ。1-2。人の動きは複雑だったがボールのそれはあまりにも単純。ただ、これもサッカー。CBハナが地面を叩いて悔しがる姿が今も瞼に焼きついている。1-2。

マークもいた。ポジショニングも大きなミスはなかった。
後半15分、ボールロストからカウンター。ただ、リスク管理はできており角度も殆ど無いようなシーン。だからこその油断、すらなかったはず。それでも決められた。これが年代別代表の凄さ、か。1-3。

4回跳ね返した。5回目で決められた。
後半42分。アディショナルタイムも2分が過ぎラスト1分。この試合、ここまで凌ぎ続けたCK。この場面でも体と気持ちでシュートを打たせないプレーが連続する。意地になっているのはカピタも同じ。4回目に跳ね返した時、そこにいたのはアンガクの3年生同様、いろいろな思いをもつカピタの3年だった。魂こもった泥臭いプレーは対戦相手ながら天晴れ。1-4。

後半、スコア的劣勢の中、残り時間が経過しても…さらにアディショナルタイムでも…あれだけ走りきれたのは本当に嬉しかった。(成功も失敗も含めた)これまで全ての取り組みを無駄にしたくないという思いが仲間に伝わり、観ている人にも伝わったと思う。どうしてももう1点取りたいという気持ちがここまで積極性として表れるものか…と私自身驚いたし、心を動かされた。
県決勝ではロングボールだけに頼ってしまったところもあったがこのゲームで同じ後悔はしないとばかりにクサビも大いにチャレンジした。この向上心こそがアンガクのストロングポイントなのだ。成功ばかりではなかったがそれでもいい。挑戦することに価値はある。
試合終了、三位決定戦のスコアは1-4。

ホイッスルの甲高い音は、アンガクにとって悲願の全国大会出場を逃したことと、3年生の高校サッカー人生終了という二つの意味をもつ。

悔しさと寂しさで涙は止まらなかったが、それでいいんじゃないかと思う。自分が率いて、あれほど泣き腫らしたチームは初めてだ。しかし、あれだけの涙が出てもおかしくないほど取り組んできた自負もある。試合の内容も(失敗はこの日も相変わらずあったけれど)自分たちにとっての最大限は発揮したと胸を張って言える。

3年生との〝さよならミーティング〟は1週間遅らせた。その間に新チームを始動させて、苦労を一つでも多く経験して、『こういうときに先輩たちだったらどうするんだろう…』とみんなで考えよう。12期生もそうして成長してきたのだから。

りの、ちーさん、れおな、ななか、りか、いまみさ、ゆい、あっか。
多くを語るのは…また今度(笑)
アスレチック行くか、それともBBQするか…。
またのんびりお話ししましょう。

あー、ひとつだけ言っとこう。
「12期生がこのメンバーで、毎日楽しかったぞ。
 高校生活、最後まで頑張れ。ラストゲームみたいに。」

もうひとつ、忘れてた(笑)。
『カピタ、おめでとう!全国で悔いのない試合を!!
 心から応援しています!!!愛知の誇りを〜胸に抱いて♬!』

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