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顧問の独り言 2016年10月号Part1

『そこに行かないと見れないもの。』ー 高校選手権県予選、もう一つの戦い ー

10月10日、南山に勝利。まず4強確定。高校選手権県予選、ここまでの3ゲームを振り返る。

皇后杯県予選は県ベスト8で終えた。手に入れたのは密かな自信と明確な修正点(あるいは安城学園のあるべき姿の再認識)。ここからやっていくべきは、地に足をつけたトレーニングのみ。
9月18日、予選リーグ初戦は金城学院。9月に入りひどい雨が降り続く。この日も会場の松蔭高校部員の苦労が心からありがたかった。ただ…そんな苦労をあざ笑うかのようにグランドの田んぼ化は進んで行く。初戦独特の緊張、力を発揮しづらいグランド環境、白井先生率いる金城学院の潜在能力…。勝手なものだ、嫌な予測を後押しする材料はいくらでも見つかる。
邪心を振り払うべく前がかりなサッカーを指示し、キックオフ。すると前半から攻勢を仕掛けることに成功。オープニングゴールはリノ。4分、皇后杯を再現するようなFKを直接叩き込む。続く5分にはリカ。10分、21分、24分は立て続けにレオナが決めてハットトリック。そして25分にハルカが決めて6得点で前半を折り返す。後半に入っても手を緩めない部分が成長の証だと思う。2分、4分と連続ゴールを決めたのはシオリ。14分にはレオナがこの日4得点目を決めた。交代カードも使い切って試合終了。9−0。
第2節は9月22日、対するは旭丘。2部リーグ上位に位置し、1部を食う力は十分にあるとみた。ちなみに旭丘は2部リーグ全節を終え19得点のうち16得点を2人で叩き出している。主力にサッカーをさせると面倒なシーンになることは簡単に予想できた。
2試合連続で降雨の中、キックオフ。本当についていない(笑)。しかし〝心のホームグランド〟岩倉総合の土は水捌けが良い。想像以上にパスが回せる中、ゲームを支配し続けた。この日のオープニングは前半6分のシオリ。中央から抜け出し、相手GKとの1対1を落ち着いて仕留める。18分にはレオナの左足一閃。後半は開始1分、ナナカのドリブル突破からリカ。23分にナツキ、24分には再びシオリが追加点。5−0でホイッスル。
B1位通過のため決勝トーナメントは準々決勝からの出番。次の試合まで2週間強空いてしまう。この時間をどう使うか。

多田先生から連絡が入る。皇后杯県予選を制したカピタは東海ブロックに挑む。本大会の出場権5枚の切符をかけて東海4県8チームがしのぎを削るという。名古屋レディース、静産大、順心、橘、JFAアカデミー…なんという高み!〝そこに行かないと見れないもの〟を多田カピタは体感し、中野アンガクはまだ及ばない。しかし、しかし!いつかは…!皇后杯県決勝も高校選手権決勝も…同一カードに!!

やはり刺激が必要だ。コンディションには山場がいる。前半1週間は心を鬼にして(通常は仏である)ハードワークを課した。印象に残るのはフルコート4vs4。得点を認める条件設定がスプリントを諦める心を許さない。負けや引き分けの後にはダッシュが待っていることも真剣さを引き出す材料になったかもしれない。当然、トップメンバーの方がプレー機会は多くした。苦労を惜しまない部員が試合で活躍できるのだ。メンバー交代のたび、まさに〝ぶっ倒れる〟ほどの奮闘。ハードワーク最終日には名古屋ユースとTM。3年生が大学受験で不在になる中、肉体が悲鳴をあげるようなコンディションでも諦めずに頑張り続けたことが指導者として本当に嬉しく思えた。たかが1週間、されど1週間。この時間も必ず生かされる。

10月10日、決勝トーナメント準々決勝。南山とは今年度よく顔を合わせる。見慣れてきた蛍光黄色のTシャツ軍団(胸のマークが顧問を美化しすぎなのが問題である)と季節感ゼロの帽子を見るにつけ『またか…出来ることなら当たりたくない相手No.1だな…』と、心の中の独り言をあえて声に出して言ってみる(しかも少しだけ大きめに)。
これまでの戦いぶりを振り返ると…押し込むシーンはそれなりに多くなるものの、なかなか得点しきれない相手。今回はこれまでの戦いを丁寧に分析しトレーニングと深層意識に落とし込んだ。根気よくプレーし続けた選手たち部員たちが本当にすばらしかった。充実の内容と結果を呼び込んだ。
前半7分、レオナのアシストを呼び込んだのはシオリ。先制。18分にはゴール前に詰めたナナカが見極めてインサイド。20分、自らのペネトレイトで掴んだPKをハルカが決めた。25分にはリカがドンピシャ、26分に空間を上手く使ったのはナナカ。5−0。
後半、顔ぶれとポジションを変えながらも前半同様こだわりを表現することに成功。1分シオリ、2分レオナ、4分リカ、7分シオリ、22分レオナ。そして35分にはナツキが見事なミドルを放り込み、結果的にアタッカー陣の全員得点を成し遂げた。11−0でフィニッシュ。

地に足つけて、ひとつずつ。高みは目指すが一歩ずつ。また明日から、高みを目指し全員で頑張っていく。

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