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顧問の独り言 2013年8月号Part1

異常気象、ゲリラ豪雨、そして灼熱。

観測史上、最高気温を記録している8月の日本列島。グランドの暑さも正直相当なものだ。部としてネッククーラーを常備するようになって数年、今年ほどその重要性を感じさせられる年は過去に無かった。そして忘れたころにゲリラ豪雨もやってくる。部活動的には、たまたま試合日程に影響しなかったことは幸運だったが部活帰りのタイミングに直撃したことも。いずれにしても、ある意味では健康のために取り組んでいるスポーツが不健康の入り口になりかねない、とも感じている。妙な“あるべき論”に固執し過ぎず、時として、勇気をもって撤退することも必要なのかもしれない。

愛知で気温37度の予報が出た日が関東チャレンジの初日だった。今年度は関東大学リーグ1部に所属する日本女子体育大学(ニチジョ)へのチャレンジ、そして東京都で熾烈な2番手争いをしている有力高校と大変有意義な実践トレーニングをさせていただいた(蛇足ながら1番手グループというのは村田女子、修徳、飛鳥、晴海総合、十文字、成立学園、文京学院、といういわゆるトップ7である)。
8月6日と7日は日本女子体育大と芦花高校。続く8日と9日は野津田高校と若葉総合高校。感慨深かったのが対戦相手に卒業生がいること。高いレベルに身を置き、毎日の全てがチャレンジだという香織の姿を見ていると、まるで我が子の成長を見守る親のような心境になった。ピッチの内外でニチジョの文化を体得しようと挑戦している姿勢を見て、改めて関東チャレンジの意味を考える。厳しくも温かい先輩方や須甲先生から多くを学び、ぜひ素晴らしいサッカー人生を歩んでほしい。「頑張れ香織。アンガク同期生も応援しているぞ!」
芦花、野津田、若葉総合という有力校との対戦はこういった機会をつくらないと実現できないものだったと思う。トップ7に何とか食らい付きたいという各校先生方の思いが伝わってくる好チームばかりであり、当然ながらどのゲームにも学ぶべきシーンが多数、存在した。
芦花浜上先生のあらゆる他者を受け入れてしまう、人としての懐の深さと、野津田長田先生の部員だけでなく自らも学ぼうという謙虚さに触れ、まさに脱帽するしかない中、最も言葉を交わしていただいたのは若葉総合の三浦先生。実はこの対戦前日まで次年度の東京総体準備を兼ねて佐賀に出向き全国総体視察をしていたという、大変エネルギッシュな方。いろいろ話したその詳細はもちろん企業秘密(笑)だが、格上のチームと勝負するうえで絶対に譲れないものに触れられたお話は全く同感できるものであり、ピッチの内外の出来事全てが私にとって学びであった。

いつか、高体連主催の大会で…叶わぬなら、地域のフェスティバルでも…それもダメなら関東チャレンジで…ぜひ再戦し互いの成長を認め合いたい…苦労を共有したい…そう思わずにいられない高校3チームであった。
なお、今回のチャレンジも東京・村田女子の矢代先生に多大なアドバイスを頂き実現した。そして私たちが関東チャレンジしている、まさにそのとき、村田女子は総体でとうとう全国制覇を成し遂げたのである(日程事情により兵庫・日ノ本学園と両校優勝。ちなみに日ノ本を現在率いるのは小夏や冬華が1日だけ指導を受けた田辺先生…何かの縁を感じずにはいられません、少しこじ付けですけど…)。昨年夏、あるいは年の瀬にTMをした、あのメンバーたちが矢代先生の更なる指導を受け、全国制覇…。努力実った村田女子部員全員と矢代先生に、また会ってみたい…。

県選手権、開幕。

第37回愛知県女子サッカー選手権大会、開幕。
一昨年は初参戦で初戦突破、昨年は2つのPK勝ちで勝負強さ(運の良さ?)を発揮し県ベスト8入りを果たした。さて、今年はどこまでいけるか…。
8月18日、会場は名古屋学院大学。最近ではいくつかの試合でこの会場を使用する機会にも恵まれるようになり、もう道に迷って多田先生に電話する必要もなくなってきた(笑)。一回戦、刈谷マドレーと対戦。創部当初、ルールすらままならなかった時代にお母さん的温かさでアンガクの全てを受け入れてくれたリスペクトすべきチーム。当時とはずいぶん顔ぶれも変化してはいるがチーム名を聞いて思い出す歴史とそこに流れるDNAは何も変わらない。試合前日にはアンガク部員にそういった話を伝え、過去が無ければ今は無い、という当たり前のことを理解したうえで一戦必勝、全力で戦いましょうと話をした。
キックオフ近い時間になると見慣れた顔が。せり、なみき、めい、まきこ、きわ、あんな。少しだけ(?)女子力が増した(??)昨年のメンバーを見て緊張が高まっていた部員たちにも自然と笑顔が増える。こういうつながりもとにかく嬉しい。
キックオフ直後は硬さが見られたものの、時間の経過とともにピッチを支配しゴールに近づくチャンスも増えた。フタカナと春奈がそれぞれ決定機を見事に決め、ホッとしたのも束の間、コミュニケーション不足と注意力散漫なプレーでみすみす得点を献上。給水時で2-1という“らしくない”大味なスコア展開。暑さのせいで足が止まり始めた後半。シンプルなポゼッションで支配し、決定機をさらに生み出せた。春奈がさらに2ゴール、結局、自身公式戦で初のハットトリックとなり4-1で勝利を収めることが出来た。
間に3時間(3時間!)置いて2回戦、対FCゴールQuest。マドレー同様、県2部に所属しているチーム。実績ある選手もおり、何よりもサッカー経験値の高い選手が多いという印象。過去の対戦はさかのぼること数年、TMで一度か二度か、という程度。関東や清水で経験し学んだ“データの無い対戦相手とどう向き合うか”という経験がここで活きる。今一つ噛み合わなかった前半はスコアレスで終え、勝負の後半へ。両サイドの積極性とそこに効果的に配球するサッカーが結果的に相手の体力を奪う。FWのポジショニングも献身性が高まり、周囲とのスペースの使い合いのレベルが上がってきた。そんな中、増えてきたセットプレーでやっと得点。さらにミドルレンジからのフィニッシュもゴールに繋がり、後半で3得点(春奈2、歩美)。結果、3-0で勝利を収め、3回戦進出を決めることが出来た。なによりも灼熱の中、気持ちも体力も充実させて大事な公式戦を連勝できたことが素晴らしい。途中出場の選手、3時間を効果的な回復に充てることに成功したマネージャー、ベンチ入り出来なかった部員を含め全員の力だと思う。

数日後に東邦大学戦を控えつつ、例年通りのことではあるが同時進行で次なる動きもしていかなくてはいけない。8月27日と28日に第一回目の学校見学会…いわゆる体験入部が実施される。女子サッカー部への体験入部希望数は2日間で計33名の応募(8/22現在)。この中から何人がアンガクでサッカー人生をスタートさせる決意をするか…。すべては雰囲気をつくる現役部員にかかっている…(と少しプレッシャーをかけてみた(笑))。最近では“楽しかった~!”“また参加します~!”と言って5回催される体験入部に複数回参加する中3も増えてきた。いずれにしても毎年、たくさんの初心者と一握りの経験者を融合させるチーム作りをしている我がアンガクにとっては“次なる仲間”と出会う行事でもある。そうだ、ほとんどいないと思うがコレを読んでいる中3生にアピールしなくては…。
「中3生の皆さん、ぜひ体験入部を楽しんでくださいね。そして日差しの強さが予想されますので前日はしっかり睡眠をとって、水分を持参して来てくださいね~」   優しい顧問より♪

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