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顧問の独り言 2012年2月号

ハードワーク。

新人戦を早々と終え、部員にこんな話をした。「2月と3月は目の前に大会がなく、気候的にもトレーニングしにくい状況が起こりやすい。でもこんな時期だからこそ改めて成長を目指そう。4月には新1年生が入ってくる。チーム内では新しい競争が起こる。易々と後輩にポジションを譲るな。他校もレベルアップしてくるだろう。本当に強くなるチームはこの時期に力を抜かない。本気で強くなりたいなら、2月と3月に力を抜くな」。
個々の技術の底上げ。心肺機能の向上。自己を見つめるメンタリティー。3時間のトレーニングでやるべきことを可能な限り追求する。そう宣言したせいか、部員のモチベーションはなかなか高い。怪我の癒えない部員もいるが、そういった部員もスポーツドクターの力も借りてリハビリに励んでいる。良い2月を過ごせたと思う。

12分間走も再開した9月から数えて16回の実施になる(2月21日現在)。可能な時期はほぼ毎週実施しているのだが、コンディション状態がかなり反映される。例えば定期試験前後であまり負荷の強いトレーニングができていない時期だと総走行距離が110mから160mほど短くなる。そうかと思えばボールを扱いつつ心肺機能に負担の大きいメニューを毎日実施しているときに実施すると大体の部員が自己最高、あるいはそれと同等の記録になる。
そういえば自己最高も少しずつだが伸びてきた。なかには始めたころは2100m程度しか走れなかったのにとうとう2700m台に突入してきた部員もいる。しかしまだ3000m走れる部員は一人もいない。別に長距離ランナーを育てようというわけではないが、もし部員全員が3000m走れるようになればサッカーの質もレベルアップすると私は考えている。走力がつくことで心肺機能的にも精神的にも余裕が生まれ、その余裕が視野の広がりに影響し、判断する力を発揮できる。またボールプレーのミスを補うことにもつながる(だからといってボールを扱う個人スキルが向上しなかったら話にならないのだが)。ちなみにアスリート指標なるものを調べたところ、12分間走で3000m以上走れると女性アスリート(=一般女性ではない)としては“非常に良い”レベルだそうだ。

遠足inオーシャンアリーナ。

さて、この話題に触れないと多田御大に顔向けが出来ない(!)のでしっかり触れておきましょう。2月5日、場所は大洋薬品オーシャンアリーナ。Fリーグで圧倒的力量を誇る名古屋オーシャンズの今シーズン優勝を決める一戦の、なんとフラッグベアラーを我がアンガクが務めることに。新人戦敗退翌日に誘ってくれた梶野先生、本当にありがとう(笑)。

また、この日はサッカースクールU-12の小学生全員とその家族にも試合見学していただいた。間近にみるプロスポーツの迫力に娘たちも親御さんもどうやら釘づけだったらしい。この数日後のスクールではいつも以上に一生懸命な小学生の姿…やはりホンモノに触れるということは大きな意味を持つ。まさに“百聞は一見にしかず”。
試合の方は地力に勝る名古屋がブラジル人選手を補強した大分に手こずるも3-2で見事勝利。Fリーグ創設から5シーズン連続優勝で幕を閉じた。地元に強いチームがあるのはやはり気持ちのいいものだ。これからも6連覇、7連覇と勝ち続けてほしいものである。

3年生に贈る会。

2月22日。本校3年生にとっては卒業式の前日だが、女子サッカー部部員にとっては苦楽を共にした仲間と惜別の時である。翌日卒業式の準備を終えた1年生部員を中心に教室の飾り付けが始まっていく。途中、2年生が合流してからは現役部員が手作りした和洋中そしてスイーツ(?!)が机の上に所狭しと並んでいく。そしてこの日の主役、第六期生3人が入場して、会は始まった。ふゆか、ななえ、みなみ。人数は少ないが非常に個性豊かな部員。確実に言えるのは今のアンガク女子サッカーは彼女たち3人がいなければ存在すら危うかった、ということ。今でこそ部員数は少し増えてきたが六期生が1年生の時の秋、つまり当時の3年生が引退した後は総勢7名。まともな試合すら組めない状況だったわけだが、3人は先輩たちと共に腐らず毎日トレーニングし続けた。私の練習に対する追い込み方も相当厳しいものだった。当時のことを思い返すと…全てが懐かしく、ついこの間のことのようでもある。
それにしても今年の現役部員による出し物の充実度は凄かった…。コントあり、寸劇あり、モノマネあり…。圧巻は出し物の合間にテレビで流すCM(!)。見るに堪えない衣装とメイクもこの日ばかりは無条件OKである(というかNOと言える雰囲気ではない。私も一応、空気は読めるのだ)。聞くところによるとここ2週間ほどの自主朝練はほとんどすべて出し物の練習に費やしたそうだ…もう笑うしかない。しかし、3年生に対して最大限の感謝の気持ちを表すには、と考えての行動。これもまた、アンガク女子サッカーの真髄、なのである(?)。
「ふゆか、ななえ、みなみ。卒業式での“ハイっ!”という返事の言葉、しっかり聞こえましたよ。これからの人生も、自分らしく頑張りなさい。そしていつかまた、グランドで会いましょう!」

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