垣根を超えて、あらゆるカテゴリーが参加し愛知県No.1を目指す皇后杯県予選。とはいっても高校にとっては夏の大会、県高校リーグ、遠征…。そして秋の高校選手権との境目である。また高校3年生にとっては進路に向けた具体的な動きが活発になる時期でもある。だから本音を言うと今年は皇后杯をあまり気にせず…のつもりであった。部員にもこだわるのはもちろん高校選手権だよと伝えてあった。ただ…目の前に素晴らしい対戦相手がいるとやはり勝利を目指して目一杯戦いたくなる。
9月3日、三回戦。対NGUラブリッジ名古屋ユース。完成度の高い中学生を中心にトップ所属の高校生が数名加わった実力者揃いの強豪。経験値も技術も素晴らしく高い集団。対するアンガクはいつもの構成から諸事情でトップスコアラーを欠く布陣。苦しい試合展開が安易に予想できる試合前だったが「高校生のプライドと意地をみせなさい」とハッパをかけて送り出す。
キックオフ直後から名古屋がボールを支配する。個の技術に溺れることなく展開してくるところはさすがであった。アンガクも時折鋭いカウンターを見舞う。ミサトとナツキが高い位置でチャンスをうかがい、自ら突破を図る。幾度かゴール前に攻め込みあわやというシーンを作り出す、悪くない展開。良いシーンをつくっていても得点を奪えなかったのは残念ではあったが、この名古屋のメンバーを相手に前半を0-0で終えたのは受け入れるべき結果だったとも思う。
後半、名古屋の攻撃の鋭さが一層レベルアップしてきた。対するアンガクはただ引いて守るだけではなく守備の優先順位を正しく理解し、そして表現する。前半と異なるのは、時間の経過とともに攻撃の糸口を見つけ出しにくくなってしまったことか。しかしそれでも大崩れしないところに自チームながら成長を感じた。結果、後半もスコアレスドローで
PK戦に突入。ここで活躍したのはGKイマミサ。渾身のセービングを見せ見事なシュートストップ。結果、PK勝利となりベスト4をかけた準々決勝へと駒を進めた。対するは、聖カピタニオ女子。
今年度公式戦だけですでに総体決勝、県高校リーグ、夏大会決勝で対戦してきた。皇后杯で勝ち進むとこういう成長の機会に繋がる。9月9日、皇后杯準々決勝、というよりもむしろ4回目のチャレンジ。
オープニングから気迫十分、良い戦い方ができていた。得点のチャンスもなかったわけではないが、カピタのプレスの激しさに舌を巻く。だが攻め込まれるシーンもしっかり受け止めて、そして跳ね返す。前半やはりスコアレス。
後半も決して悪くなかった。むしろピンチが増えて来たぶん、セットプレーを含めた守備時の見事な集中力が発揮しやすくなって来たのかもしれない。
唯一の失点は残り6分の場面。ミドルレンジで隙を見せた、というよりも流れの中で得点を目指した配置転換が裏目に出てしまった指導者のミス。しかしそこを見逃さずフィニッシュまでたどり着くところに今のカピタの強さがある。
最後まで追いつこうと得点を目指したが一歩及ばず。0-1でホイッスル。今年4回目のチャレンジ、最小得失点差で敗れてしまった。皇后杯結果としては4回目、2年連続のベスト8。
12期生(=3年生)最後の戦いはもう目前。16日開幕の高校選手権県予選にアンガクは30日の4回戦から出番だ。一歩ずつ地に足つけて、目の前の戦いに全力で挑む、きっちり戦っていく。
目指すは優勝、東海、そして全国大会出場権獲得。