ブックマーク▶︎https://angaku-girls-soccer.com

顧問の独り言 2025年夏遠征、遠征後。

9月に入っても暑い。とはいえ、明らかにあの地獄のような灼熱とは(少なくとも夕方近くになれば)一線を画す空気を纏う、今日この頃。

8月遠征を振り返る。
夏休みの最終盤、練りに練った遠征をスタートさせた。初日にお邪魔したのは藤枝順心高校(静岡)。わざわざ静岡と書くことを躊躇うほどに全国が知る超強豪。監督の中村先生とはリーガスチューデントの会議などで少し言葉を交わす程度でしかなかったが、今回お願いすると快諾してくれた。お邪魔するのは確か5年ぶりくらい。あの15期を引き連れて行ったことを思い出す(※現在は20期〜22期)。
遠方でのゲームだとギャラリーは居ないのが常なのだがこの日は主将の祖母や副顧問の親戚が労を労いに来てくれた。驚きと共に大感謝である。
さて、ゲーム。その後の移動の都合もあるため30分前後半のみの1試合。順心にトップメンバーはどうやら不在。しかしそうでなくとも才能溢れるのが順心なのだ。さらに言うとトップに上がりたい野心もある。中村先生がベンチにいることの意味は、そこにある。10分もすると守勢に追われる場面ばかりが目立つ。対戦相手が素晴らしくても食らいついて意地を見せるところに自チームの誇りを感じることが普段は多い。だがこのゲームでは、わずかな綻びを連続させ、ピッチ内で掛け合う言葉も少なく、プレーも心もやり切れない試合になってしまった。絵に描いたような不完全燃焼。マッチメイクの有り難さや遠征初日という要素も手伝って不出来な内容に腹が立ち、寂しくも感じた。だがなにより、そんな取り組みにしてしまう指導しか出来ていないのかと自分自身に一番腹が立つ。
移動時間でなんとかリフレッシュし、今度は神奈川・厚木にてアジリズムの講習。以前からSNS等でとても気になっていたアジリティトレーニング。指導に出向いていただいたのはなんと代表の木下徹氏。動画で観る姿そのものにワクワクが止まらない。部員諸君も木下氏のさまざまな話に真正面から耳を傾け、聞き漏らすまいという姿勢は普段のそれとはまた違うものだった。多くのヒントが隠された内容は私にとっても大きな学びだった。ところで、インドア用のシューズを準備させていなかったのは私の注意不足。恥ずかしながらレンタルスタジオの常識を知らなかった!木下さんごめんなさい。一度の講習で何かが変わるということではないが、自分達の〝無知の知〟を引き出すには十分な内容。
その後、1泊目にお世話になる厚木アーバンホテルへ。二人部屋&夕食フリー。ミーティング、ノート記入、などなど。

2日目、さらに東へ。なでしこリーグ2部所属の南葛SCウイングスに向かう。まず昼過ぎに次なる宿にチェックイン。LDK西葛西というホステル。海外からの旅行者で賑わうオシャレ空間に田舎の高校生が迷い込んでしまった笑。宿内のビーチで佇み、その鼻先にあるビリヤードに興じて…などと言うと〝こらこら嘘をつくな〟と言われそうだが全く嘘ではないのだから驚くしかない。東京恐るべし。
キックオフ時間に合わせて宿を出発し南葛のホームタウンである葛飾区を目指す。すると会場まであと10数分というところで…唐突な雷鳴。いや、音だけではない。あんなに大きな稲妻を見るとおじさんでも恐怖すら覚える。少し経って会場到着。南葛ウイングス監督の松本さんが出迎えてくれた。苦笑いしつつ「…中止ですね」と、互いに少し肩を落として現実を直視。しかし松本さんが急遽会議室をとってくださり、少しだけでもと体を動かす機会を与えてくれた。ありがたや。部屋の外で南葛のスタッフさんと〝いやぁ〜残念ですぅ〜〟などと言っていると視界の端に見慣れた顔が。あ、マリンだ!!昨年度、安城学園高校を卒業し、この4月から南葛SCウイングスで日々挑戦しているOG。彼女の可能性を感じて入団させてくれた南葛さんの懐の大きさに感謝しつつ、改めて基礎トレーニングにこだわり続けたマリンの高校時代を思い出す。どうやら南葛でもその人柄ゆえか、先輩アスリートたちに可愛がってもらっている様子。嬉しいなぁ。
というわけで、雷に泣かされた遠征2日目終了。

ここ数年の関東遠征は常に千葉でお世話になっている。今回もやはり市立船橋へ。率いる清水先生は、お互い同好会状態だった、あの時代からの繋がりだ。この日の会場はグラスポ法典公園。男子のU18プレミアリーグで使用している会場、そう聞くと一層有難いなぁと改めて感謝しきりである。そんなピッチで30-30-25-25の計4本。内容的にはイチフナの素晴らしい質に翻弄されながら必死で食らいつく安城学園、という図式。この日はむしろ入れ替えを積極的に行った3本目4本目にポジティブな印象を持った。今ある力を存分に発揮しようとしているかーその自意識の有無がピッチ上でのプレーに反映される。波に乗れない時に立ち止まって悩み留まるのか、それとも苦しみながら仲間と共に道を探って必死になって、もがくのか。私は後者のチームをつくりたい。そんなごくごく当たり前のことを、自チームの動きをもって再認識した。

最終日は移動に充てた。普段の遠征では安城での解散が遅い時間帯になるのが常。もちろん過去のそれは渋滞等の影響なのだがそれすら回避したかった今回。西葛西を出発し、浜松の竜ヶ岩洞で洞窟の涼しさと自然の神秘に驚愕し、浜松餃子に舌鼓を打つ。結果、定刻よりも僅かなズレで解散。作戦成功笑。

遠征から数日のオフを挟み、トレ再開。
今日に至るまで、取り組みの質が目に見えて向上してきた。遠征での不甲斐なさをそれぞれが心から自覚し、変わりたいと覚悟を決めたことによる大きな変化だと思う。仲間を大事にする安城学園らしさは損なわず、〝今やるべきこと〟〝なりたい自分を目指す〟姿勢が目に見えて増加。遠征連夜のミーティングやカンテラで個別の話し合いをしたことも大きなきっかけになった。
これまでの遠征はチームの収穫を確認するものだった。今回の遠征は、これをきっかけに自覚と変化を促すものになった。

転んでもただでは起きない安城学園!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です