ブックマーク▶︎https://angaku-girls-soccer.com

顧問の独り言 2022年8月(夏〜高校選手権その2)

8月に入り、それまでさほど影響を受けていなかったコロナ禍が、突如として本校女子サッカー部に影を落とし始めた。部員が罹患するケースだけでなく家族や兄弟など、本当に心配になるケースがいくつか出てきた。
同月上旬に予定されていたリーガの静岡産業大学戦、そしてU15クラブとのTRMはことごとく中止にせざるを得なくなってしまった。ただ、どのチームも不安は同じ。連絡を取り合うと〝どうしてもこればかりはしょうがないね…〟という受け止めをしていただき、ご迷惑をお掛けしてしまったがそれもまた想定内だよというような口ぶりに、感謝しきりだった。

そんな状況の中、多くのことがなかなか整わない中で8月8日から12日にかけて本校の部活動体験会ウィークが始まった。昨年度までと異なるのは時期と回数。各運動部や文化部の希望で新たな形式での実施が決まったのだ。女子サッカー部は4日間実施し、のべ22名の中学生が元気に参加。その中には中学2年生も数人混じっていた。日によって参加状況は大きく異なったがアナウンス方法などを含めて次年度以降への改善策を講じつつ、より深く安城学園を知っていただく契機になっていればと思う。

8月21日には遅ればせながら県高校女子サッカー大会の3位決定戦を実施。対する豊川高校のグランドに出向いてアウェー戦。3年生中心のメンバー構成だった豊川に対し、安城学園は1年生が存在感を示す試合内容となった。前半にはセットプレーからこぼれてきた場面。後半にはショートカウンターから絶妙なポジショニングでドンピシャ。2ゴール決めたのはマリン。取れた時間帯がそれぞれ良かったのか、1試合を通じて集中が途切れることなく良い質のサッカーが展開できた。これで久しぶりの表彰状となった(表彰式は無かったけど笑)。

23日からは久しぶりの関東遠征。初日の目的地は広尾学園小石川高校。矢代先生はアンガクが初めて県外を意識するきっかけをくれた心の師匠である。ちなみに当時は村田女子。関東に限らずどこに行っても対戦していただいた思い出ばかり。行った先々での対戦ばかりだったせいか、今回お邪魔した練習グランドにはなんと12年ぶりに訪れた事になる。本当に当時が懐かしい…!隣接の短大校舎で宿泊し、朝6時ごろに目を覚まそうと外に出てみるとムラタの子と、同宿だった仙台育英の子がすでに汗だくで朝練をやっていたのだ…。衝撃の光景を目の当たりにし、当時、文字通り、言葉が出なかったのを思い出す。そんな思い出話をしつつ、小石川の部員に対する愛情、環境に対する感謝の念、矢代先生の現在地などお話しをたくさん伺わせてもらい、私にとって至福の時間はあっという間に過ぎていった。今後は見ることもなかなか出来ないであろう、あの〝村田魂〟のエンブレムをしっかりと目に焼き付けさせていただいたのはここだけの内緒である。
ゲーム形式を終えた後にはセットプレーのトレーニングもリクエスト。そんな要求をしてしまうほど、私もちょっと歳をとったのだ笑。アンガクの出来不出来は割愛するが、なかなか機会のない形での、緊張感あるTRメニューはその後の財産になっていく。

その日のうちに再度移動。行き先は千葉→茨城。翌24日は流通経済大学とTRM。常盤大高の大沼先生に紹介していただき、実現したマッチメイク。なにせサッカーの雑誌などで幾度も目にしたことのあるピッチである。それが目前にあり、おまけに自分のチームが間も無くそこでゲームをする、という事実に若干の武者震いを覚えたものだ。
ゲームは一進一退の中、互いにスコアを動かせないまま進んでいった。練習試合とはいえ、小気味良くボールを動かす安城学園に対し徐々に本気モードになってくれる大学生に大感謝であった。やはり学生のカウンターは鋭くて、しかも場を見る力がある。終了間近にいくつか失点を喫したものの、これまた収穫多い1日であった。

実は計画当初は移動距離も期間も、もう少し長めの遠征であった。だが世間はまだまだコロナ禍の不安を残していると言ってもいい状況。引率する私もひどく自問自答する中で推し進めた遠征であった。そのため日程的にも大きな修正を幾つか施した。そんな中、25日のマッチメイクに手を挙げてくださったのは埼玉の浦和西高校、そして群馬の高崎商科大付高校。浦和西高校さんは数年前、まさにコロナ禍になる直前に関東に出向いた際にお邪魔した。奥から引っ張り出した名刺をみて連絡したところ快諾してくださったのだ。おまけに会場提供まで…!そしてインスタで繋がったのが高崎商大付。選手権間近の時期にわざわざ合流してくださった。こういった学校さんがいなければ、今回の遠征は成し得なかった。
ただ、私のそんな思いを部員にもう少し丁寧に伝えておけば良かったのかもしれない、と今になってつくづく思う。心のどこかが緩いままゲームを進めてしまった。欠如したまま、ただただプレーする安城学園。失点しても何事もなかったかのように時間だけを進めてしまった。気持ちのこもっていないサッカーはアンガクの目指すサッカーではない。私の、怒髪天に達した気持ちは、その場になってやっと部員に届いたようだった。こうして、相変わらず失敗を繰り返して成長していく。チームも、私も(笑)。

夏休み最終日はLigaStudent、愛知東邦大学へ。聞くと今年度はなんと全て負けなしとのこと…。ほぇー?!!!である。そんなノリノリの大学生相手でもやるべきことは一貫性を打ち出しながら表現できた。東邦大はガチベストでない顔ぶれだったとはいえ、ボール奪取、ビルドアップ、ショートカウンター、という夏の期間で自分たちなりに磨いた部分を試すことができたことは成長であった。以前までのチームレベルであれば、練習でやってきたことを出すことができないまま試合は終わっていたはず…。こういった積み重ねがひとつひとつ、わずかな自信が積み重なって、やるべきことへの確信へと繋がっていくのだと思う。

これで、夏のチャレンジは全て終了。実は怪我やコロナ禍でうまくいかなかった日も多くあった。今にして思えば苦しかったなぁと。ただ、そんな中だからこそ試せた部分もあったし思い切ってコンバートできる瞬間もあった。不安材料は無いわけではない。しかし、まだ選手権まで出来うる挑戦をし続ける。そんな決意を新たに夏を終わらせたのだった。

ーその3に続く!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です