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顧問の独り言 2022年5月

なんと約半年ぶりの独り言である。待っている人はいないだろうと高を括っていたら、案外「生きてる?」とか「まだ?待ってるんだけど」的な声を頂戴し、それならばやらねば、と再開する決心をしたところである。待っていただいた皆さん、お待たせしました。別に待っていなかった皆さん、また始まっちゃいますよ。
まあ、言い訳にもならないけれどやはり毎日のインスタグラム投稿で結構満足していた自分がいまして。それなりのリアルタイム的反響が結構心地よく、〝だったらインスタで〟となっていました。しかし読者の皆さんはお分かりいただけると思いますが、インスタ投稿では詳細まで書き記すこともあえてしていません。したがって(言葉は良くないけれど)上っ面な部分だけで済ませることも。もちろんサッカーの本質的な部分の記述もインスタでしていたことも多々ありますが、やはり〝独り言〟には敵いません。それは当の本人が一番分かっています笑。

というわけで、言い訳もこの辺りにして、ここ最近の(というほど最近ではないけれど)トピックスなどをつらつらと書いていこうと思います。

2022年度が始まり、すでに2ヶ月。リーグ戦を3試合終え、総体県予選を8強で終えたアンガク。
今年度から大幅に改変されたU18リーグは東海ー県1部ー県2部(A・B・Cグループ)にカテゴリ分けされている。いずれも高校とクラブチームで切磋琢磨していく。安城学園は県1部。ちなみに東海で戦う県内の高校はカピタニオと至学館。いずれも前年度上位校として選出。
第1節は4月30日、豊川会場。対するは県立松蔭高校。昨年度の2部リーグで全勝優勝。1部で戦う権利を実力で獲得しているのは言うまでもない。安城学園は年度初戦に向けて、というわけではないがそれでも日々のトレーニングで徐々にチーム作りをしていた段階。開始早々、幸先よくユウナが今シーズンチーム初得点を決めるとその後も攻撃の手を緩めはしなかった。5得点(ユウナ2、アヤセ、ユイ、マナ)で前半を終えると後半には6人が交代出場。フレッシュな選手が前半のメンバーに負けじと躍動。無論、体を張る松蔭に手こずる場面がありながら後半にも7得点(ガヤ2、マコト、カン、ハナノ、シオリ、マリン)を挙げ、計12得点。
翌日5月1日は第4節を前倒しで実施。対豊川。そんな日に3年生は模擬試験を受けることに。とはいえ最高学年を全員抜きで公式戦を戦える機会はそうそうあるものではない。良い機会だよと送り出した。イヨとスミレ、そしてマコトを中心に踏ん張るシーンは作りつつもやはり豊川の猛攻は止められない。幾つかのミスもあって前半3失点、後半には4失点。トータル0−7で敗れてしまった。だが、これもリーグ戦の良いところ、と言っていいかもしれない。なにせ、まだリーグ戦は続くのだから。出場機会を得た2年と1年にとってはこの上ない経験だったのは間違いない。
1日置いて第3節、5月3日。この日は愛知啓成との一戦。会場作りで苦労したが視察に訪れていた刈谷の野々山さんからは運営も含めてこれなら良しと言っていただけた。あー良かった。試合は終始押し気味に進めるもカウンターと凡ミスで前半に失点。0−1でハーフタイムを終え、後半へ。後半も攻めるが決め手を欠く戦いぶり。77分、カンのCKからユウナが叩き込み溜飲を下げた。だがネットを揺らしたのはこのシーンだけ。課題多めの1−1ドロー。3試合終えて1勝1敗1分けの勝点4。

総体は3回戦から。対するは勝ち上がってきた時習館。急遽、会場を豊橋総合スポーツ公園人工芝に変更できたのは時習館、奥先生のおかげ。その恩に報いるためにもスタートからゴールに向かう。開始2分の先制はいつものFWではなく左に入ったハナノ。23分にはこの日自身2点目となる会心のゴールでチーム3点目を挙げる活躍を見せた。2点目はマナ。調子を上げてきた1年生の存在は大きい。これで前半3得点。後半に入ると時習館は3年生の引退を賭けている気迫が一層大きくなる。当然のようにアンガクも手こずる場面が増えてきた。だがそれを上回るようにキレを見せる部員たち。初スタメンで大きな成長を見せたモモカの奮闘もあり、アヤセの2ゴール、マナの追加点で一つずつ仕上げていく。極め付けはラスト10分だけ出場したキャプテンカンナのゴール。7−0で準々決勝へ。

準々決勝はカピタニオ。カピタにとってこの日が大会初戦。そのせいか、らしくない硬さも若干あり、立ち上がりに苦労しているようだった。逆にいうとアンガクはそこで何かの答えを出すべきだった。安城学園がビッグチャンスを逃すと少しずつカピタも息を吹き返す。GKノノを中心にDFラインと連携もあってひとまず前半は凌げるかな…と思った前半33分、CKから合わせられ痛恨の失点。前半を0−1で折り返した。
後半は一層、カピタニオのペース。とはいえアンガクもいつかは来るであろうチャンスを待ちながら、必死の抵抗。ただ、その反作用でプレーの選択肢が単純化。必然、カピタニオの掌で戦い続けているような状態。それでもお互いに高校生。難しい時間帯も堪え続けることで拮抗した試合展開を引き出せたとも言える。だが、こういう展開ではセットプレーが勝敗を分けるのもまたセオリー。54分、フリーキックの展開から追加点を許してしまった。0−2。無論、ここで諦めるわけはなく必死で点を取りに行く安城学園。だが最後までカピタニオのネットは揺らせず。そして、とうとう試合終了のホイッスル。善戦するもベスト4の壁を崩せず、総体を終えることになってしまった。

ディテールまで掘り下げる。
まず、この大会期間に入る頃から格段にトレーニングの質が向上した。今頃かと笑われるかもしれないが、振り返ればこれまでは、やはりどこか隙のある取り組みに支配されていたと思う。個の問題でありグループの問題。それが劇的に変わった。キャプテンカンナによる声掛け、3年生それぞれの自覚など、理由は様々だろうがやはり個々の意識向上によるところが大きい。自分自身がどうなりたいのか。チームにとってどんな存在になりたいのか。そして同じ時間を使って〝2流を目指すのか、1流を目指すのか〟という部分。まだまだ補正すべき部分は残すものの、向上心こそが良い集団になるために不可欠な要素であり、心技体はやはり掛け算なのだ。
怪我人の回復が思いのほか時間がかかったり、新たに痛む部員が出たことも試合に向けたチーム整備を難しくさせる要因だった。もちろん無傷で日々過ごせるわけもなく、それなりの激しさをもってトレーニングしている以上、多少の外傷は目をつぶるしかない。もっと言うなら熱心にプレーした上で傷んでしまった部員は本当に不運と言うしかないし、責められる要因が何一つないのは当然である。ここで考えなければならないのは怪我をした後の時間の使い方だ。不運に打ちひしがれ、うなだれるだけで毎日過ごす者は皆無。だがピッチへの1日も早い復帰を目指し、本気で自分の身体と向き合い、出来得るならパワーアップして戻るための最善(最善!)を尽くせているかどうか。リハビリは孤独だし、取り残されたように感じる時間はストレスと不安が絶えない。しかしその姿を案外と周囲は見ているものだ。見方を変えるとリハビリに励む姿は周囲に勇気と活力を与える。信頼を勝ち取ることもできる。
もっとも大きな問題、それは私自身が戦略的な判断ミスをしてしまったことだ。そのことがチームとしてチャレンジすべき要素を薄めてしまうことに、ダイレクトにつながった。部員は非常にひたむきかつ素直で、こう戦っていこうという私の提案に対し、見事なアクションで共鳴した。だからこそ私がもっと機微に、繊細に、ゲームの流れを戦略に反映させることが必要だった。それなりの善戦をしたのにアップセットを達成するに至らなかったことは私の課題でもあるし、部員のために私自身が反転のエネルギーを宿す必要がある。

総体予選を終えた現在、改めてプレーモデルを構築している。上手くいかないこともあるが思いのほか上手くいくこともある。課題が減らないのは欲張りな向上心の表れであり、ポジティブな姿勢は総体予選期間のそれと変わらない。むしろそれを上回るとも感じる。

それにしても、こうして〝独り言〟を書くと、否が応でもやはり自分と向き合うことになる。場を振り返り、言葉を選び、活力を見い出す。この作業もまた、安城学園高校女子サッカー部に必要な要素、なのだと我ながらにして思う。

というわけで、これからはサボらず、今まで通り(気が向いたら)書いていきまーす!

 

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